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【映画レビュー】ウォール・ストリート

続編と気付かずうっかり見てしまった。なるべくネタバレのない状態で映画を見たいので、この手のミスは何度か起こっている。まあ仕方ない。

ウォール街で働く若き証券マンを描いた作品。基本的には善良で義理堅い好青年ではあるけど、ウォール街の若者らしい野心的な一面もある。そんな彼のお金に翻弄されて上がったり下がったりする人生を描いている。
日本人の感覚からすると、こういう善人タイプがウォール街みたいなカネが全て稼ぐが勝ちみたいな場所で働いているのは少し違和感があるけど、日本以外では仕事のやりがいより給料が圧倒的に重視されると言うし、そんなに不思議な事でもないのだろう。ただ、この若者がカネより人間関係や義理を重視したり、かと思えば大金に飛びついたり、何を基準に行動しているのかわからないような印象だった。賢いのか先が見えてないのか、大胆なのか臆病なのか、どうも掴みきれない。でも、悪い人間ではないのだろうとは思ったので、ずっと好感を持って見れたのは良かった。

その主人公の若者と、ウォール街の元大物ゴードン・ゲッコーとの関係もちょっと曖昧だった。意図して曖昧に描いたのだろうか?主人公がメンターとして心酔しきってゲッコーの役に立とうとしているのか、ただお互いの利害のためのサッパリしたつきあいなのか、もう少しはっきり描いて欲しいと思った。たぶん、この主人公とゲッコーとの関係がかなり重要なのに、他の色々な人間関係の中に埋もれてしまった感じがした。
ただ、「脅しか?」と聞かれて「そうだ」と即答するシーンなど、ゲッコーとの会話が主人公に自然に身についている様子だったりとか、最後にゲッコーが意外なところで主人公の前に現れたりとか、いいなと思えるシーンもあった。

金融の勉強のためとか、そういう目的ではあまり役に立たない映画だと思う。複雑で掴みどころのないウォール街の権力争いを、かなりわかりやすくシンプルに見せている。騙し合いの面白さも感じられたけど、思ったより少ないかなという印象だった。

前作『ウォール街』を見ようと思う。前作を見ればきっと、今はまだ気づけていない本作の面白さにも出会えるだろうし。

『ウォール・ストリート』 2.5

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