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【映画レビュー】胸が鳴るのは君のせい

出来の良い映画ばかり見ているとついついクソ映画も見てみたくなる。そういう時にだいたいジャニーズ(STARTO)のスイーツ映画を見てしまう。

この作品、スイーツ映画としてはしっかり王道で良い。『ハニーレモンソーダ』の時にも思った、スイーツ映画としてしっかり評価できる作品だと思う。『ハニーレモンソーダ』が小中学生向けぐらいで、本作が中高生向けぐらいの感覚だろうか。でもまあ小学生にも安心して見せられる。

イケメンと平凡な女の子の恋を描く、ありふれた恋愛映画だ。スイーツ映画の中では、主役の二人のキャラクターは比較的現実に近いかなという印象だ。イケメンはクールで女子の人気を集めているけど、学校中の女子がキャーキャー言っているような非現実的な感じでもない、クラスのイケメンって感じだ。女の子も、優しさから損な役回りばかり引き受けてしまう事で平凡さを印象づけているけど、イジメられてもいないし友だちもいる。主役の二人はわりと現実の範囲におさめておいて、その周辺を非現実的なキャラクターにする事で物語の山を作っている構図は上手いと思った。

ただまあ、だからと言ってこの映画がよく練られたストーリーだとか映像にこだわりを感じるとかは全く無い。本当にツッコミどころ満載なスイーツ映画だ。メインの二人の性格が良いので明るくてストレスのないストーリーではあるけど、スイーツ映画として出来が良いだけで映画として評価するならもちろん凡より下だ。
校外学習でライバルが現れたり、夏祭りに行ったり、海に行ったり、文化祭があったり、そういう学園ものの王道であるイベントをちゃんとやっている。キュンキュンするシーンとか、嫉妬とか、すれ違いとか、ちゃんと山あり谷ありでラストに向かって盛り上がる恋愛を描いている。そういうスイーツ映画として抑えておくべき、期待されているシーンはちゃんと作ってある。

2021年6月に公開されたという事は3年前だ。確かに3年前の浮所くんはこんな感じだった。中学生みたいに声変わりしたり背が伸びたりしないけど、ハタチ前後の男の子はまだ3年でこんなに雰囲気が変化するんだなぁと、若い子の年月の大きさを実感する。
『真夏の少年』よりは後だよなぁと思って調べてみたら、ドラマ『真夏の少年〜10452020』が2020年7月スタート、ドラマ『ザ・ハイスクールヒーローズ』が2021年7月スタート、その間に撮影があったのだろう。ちなみに『VS魂』が20201年の1月に始まって、浮所くんが一気に知名度を獲得した頃の公開だった事が伺える。
ちゃんと高校生を演じられる年齢の浮所くんにこの作品が残って良かったなと思う。やっぱり若い子には若い子にしかないきらめきがある。作品そのものの出来としては『真夏の少年』と『ハイスクールヒーローズ』の出来が良すぎて比べるまでもないけど、友情を描いたドラマだけじゃなく恋愛映画があるって良い。

『胸が鳴るのは君のせい』 2.0

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