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【映画レビュー】ロードハウス 孤独の街

アマプラやネトフリが作った映画やドラマって、過激だったりお金掛かってたりで話題になるけどあんまり食指が動かないんだよなぁ……と食わず嫌いしてきたのだけど、この映画はめちゃくちゃ面白かった。Amazonオリジナル作品への偏見を反省した。

元格闘家の男が、とある島のバーの用心棒となり地元の権力者と戦う話。わりとありがちな構図だと思うが、やっぱりこういう王道のストーリーって面白いなぁと思う。
リメイク作品だからというのも理由の一つなのだろうか?ストーリーだけでなく、映画に求めているものはこれなんだという王道が詰まった映画だ。ジェイク・ギレンホール演じる主人公は、強くて余裕のある、でもカネはないマッチョの男だ。彼が用心棒をするバーは小さな島のビーチサイドにあり、雰囲気が最高だ。彼が島で出会う人たちとの交流は、それぞれ全く違って面白い。彼がどんな人間か全く知らない少女とのフラットな交流、彼の雇い主であるバーの経営者との打算を含む関係、うまいコーヒーや朝食を作るバーの従業員との絶妙な距離感。島の若者を用心棒の手下みたいに育てていく様子なんて、めちゃくちゃワクワクする。
そして、バーを襲うならず者たちとの戦闘がとにかくめちゃくちゃカッコいい。弱い敵と戦う時も、強い敵と多々う時も、どっちもそれぞれ面白い。大勢で殴り合う大乱闘は他の映画ではあまり見ない圧巻のシーンだったし、タイマンの殴り合いも珍しいカメラワークやコメディ要素など変化があって面白い。アクションって銃や車が多いので、これだけしっかり殴り合いのアクションがある映画ってわりと珍しいのかなと思った。もちろん、殴り合い以外にも派手なアクションの見どころがある。

そういうお金をつぎ込んだであろう派手なアクションだけでなく、島に暮らす人々の生活みたいなものが上手く表現されているのがすごいと思った。島の常識に主人公が驚いたり、島の情報伝達速度に狭いコミュニティを感じたり、そういう狭い世界ならではのしがらみがあったり、自分も田舎に住んでいるので田舎あるあるみたいなものを感じるのだ。全く違う世界だけど、共通点を感じてしまう。そういう独特の世界観がコメディとしてすごく上手く機能しているのも、この映画の面白いところだ。

恋愛要素も、すごくちょうど良い塩梅だと思う。不自然に偏りすぎず、でもしっかり楽しめる分量がある。しかも恋愛がちゃんとストーリーに貢献しているのが上手い。
それと、バーで演奏する生バンドが本当にたくさん出てきて、それぞれ良い味を出しているというか、バーの雰囲気にぴったりと言うか、こだわりを感じる。
良い映画って、本当に色んな要素が揃っているというか、手抜きがないんだなぁと感じた。

それと、終わり方がめちゃくちゃカッコよくて最高の気分で映画を見終える事ができる。

『ロードハウス 孤独の街』 3.5

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