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【レビュー】レッド・ライト

なんかこう、最後まで価値観が一致しなくて置いてかれたまま入り込めなかったなぁという作品。なのですごく退屈に感じてしまった。

超能力者と科学者の戦いを描いている。科学者の代表は、物理学者の年配女性。助手の男と超常現象について相談をうけてはそこへ出向き、事件を解決している様子だ。超能力者の代表は、ロバート・デ・ニーロ演じる盲目の男。かつて彼をインチキと批判する人間がショーの途中に死に追いやられた事から引退していたものの、電撃復活しまたショーを始めた。そんな超能力者の力が本物か偽物かを暴く、二人の激しい対決が見られるのかと思ったら、なんか全然違う方向に向かっていってしまって、思っていたのと違う感じがもどかしい。少なくとも私にとっては、良い裏切りではなかった。

映画の中で、超能力がものすごく悪いものとして描かれている事に違和感を覚えた。確かに詐欺ではあるのだけど、犯罪者を追うような熱量にちょっと引いてしまう。科学者側が、超能力を暴く事にそこまでのめり込む理由はもちろん描かれているのだけど、なんだか納得できないというか、そののめり込む原因そのものには立ち向かわないというのも納得しにくい。
そして、描かれているインチキ超能力があまりに稚拙というか、よくあるマジックの範囲で全く驚きがないのも残念だ。例えば探偵モノの作品で、トリックがあまりにありふれていてガッカリするみたいな感覚と似ている。

そんな感じでイマイチのめり込めないでいる中で、思っている方向から逸れてしまう。映画の醍醐味として、観客を裏切る事はもちろん大事なのだけど、裏切られ方があまり良くない。そこからストーリーがどこに向かっているのかわからなくなって、退屈に感じてしまった。最後のどんでん返しに向かって色々と伏線を引いてあるのだけど、伏線の違和感と同じくらい物語の辻褄が合わない違和感があって、納得いかない。見終わった後でそういう事かぁと思う部分と同じくらい、じゃあアレは何だったの?とかそれは違うと思うと反論したくなるような部分がある。

これなら思い切って人間ドラマに振り切ってくれた方が良かったんじゃないかと思う。ヘタに科学と超能力の対決を煽ったり、どんでん返しを決めようとせずに、苦悩やすれ違いをしっかり描く方が深みのある面白い映画になったかもしれないのにと。

『レッド・ライト』 2.5

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