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ヒーローインタビューで母親を”お母さん”と呼ぶ野球選手から学んだ、そもそも身近な人にこそリスペクトじゃね?


”お母さんに感謝を伝えたい”という選手たち

日頃スポーツ観戦が好きなので、ラグビーだけでじゃなくてプロ野球もよく見るのですが、最近の若い選手はヒーローインタビューで「この喜びを誰に伝えたいですか?」などと聞かれて「いつもサポートしてくれたお母さんに」とか、「今日はお母さんが観にきてるので、いいところが見せれてよかったです」などと答えるシーンを見かけます。

そう、「母」ではなく「お母さん」と言うんです。もちろん「お父さん」「お姉ちゃん」なども同様なのでしょうけど、圧倒的に登場頻度はお母さんが多いので、世の中のお母さんはほんとに頑張ってる。きっとアホほど米を炊き肉を焼いたんだろうな…という話はさておき、あれ、人前では「母」「父」と言うんじゃなかったっけ?と一瞬の違和感を覚えるわけです。

私としては、けしからん!とかいう感情は全くないんですけど、こういう発言をすると、すぐに小煩い大人がXとかで「これだから野球選手は」とか「差し出がましいようですが…」とか「球団職員さんは注意しろ」とか言うんだろうな、とそちらのほうにハラハラしてしまいます。

ただ、何年見てみてもどうやら変わる気配はなくて、世間の人がどう反応しているかは知らないのですが、少なくとも選手は注意されたりはしていない様子。毎年はいってくる選手たちも、ほぼ「お母さん」呼びが一般的になってるようなのです。

ちなみに球団にいる周囲の大人が、そういった注意を全然しないということはないと思います。時々裏側の様子がわかるYoutubeなど見てると、インタヴューではもっとしっかり話せとか、ヘラヘラするなとか注意を受けてるシーンは見かけますし、何より強豪の高校野球や大学野球を経験してきた選手たちは、大人と話す機会や公的な場所に呼ばれる機会も多いはずで、そこらの若者に比べれば遥かに礼儀を身につけています。

それでも修正されていないということは、そうか、おそらく世の中の標準がもうそっちなんだ!ということを思い始めたのです。

ビジネスは”さん付け”?”呼び捨て”?

「お母さんのことを人前では母と呼ぶ」ということを国語的にどういう分類がされているのかはわからないのですが(謙譲語とかではないらしい。ビジネスマナー?)、似たようなケースで、私が最近迷うことがあるのはビジネスの場での相手の敬称の付け方です。

いわゆる「同じ会社の人間は、他社の人の前では呼び捨てにしなさい」というやつ。「課長の○○は席を外しております」とか「このあと弊社の○○より資料を送らせていただきます」ってやつですね。まぁ、このようなケースであれば、私も呼び捨てにすることは習慣づいているのですけど、私の場合にちょっとややこしいのは、同じ会社に所属する同僚ではなく、同じようなフリーランス仲間とか、別の会社の人と共同戦線を組んでクライアントに当たるということがよくありまして、クライアントの人に対して、「資料は○○さん(別会社の人)から送る」みたいな時に、敬称をつけるべきか呼び捨てすべきか…で悩むのです。実際に過去のslackとかメール見ると、表現が揺れてて○○さんと言ってたり言ってなかったり。

細かいことを言えば、状況によっても違うとは思っていて、クライアントが私と○○さんを完全に別会社と認識していて、私と○○さんの間にもある程度ビジネスマナーが発動するような関係だと思っていれば、おそらく「○○さん」でも自然だと思います。ただ、私と○○さんが同じ会社なんだか業務委託なんだかユニットなんだかも曖昧だけどとにかく仕事仲間ですよね?くらいの認識の時は呼び捨てするほうがナチュラルなのかな、とか。そんなこんなで悩んでいると、会議の場でゴニョゴニョしちゃったり、メール打つ手が止まっちゃったりするので、どちらに早く決めてしまいたいのです。

敬意を表現して何が悪い

冒頭の話に戻ると、そんなときに、ふと気になったのが野球選手による「お母さん」でした。彼らがどこまで深く考えて発言しているのかはわかりませんし、単にビジネスマナーを知らないという可能性もあるにはあるんですけど、たとえそうだとしても、彼らがお母さんについて語る時は、十中八九、いやほぼ100%、お母さんへの感謝を語る時です。毎日の食事や応援、用具や遠征の費用を出してくれて、怪我の心配をしてくれたお母さんへの愛を語る時に、果たして身内を下げるような謙遜の表現が必要か!?ということを考えると、いや必要ないだろー!!と思うに至ったのです。

ビジネスの世界でも同じで、たとえばクライアントの前で自社の社員を「うちの○○さん」と呼んでも別にいいんじゃないかと思うのです。まぁ今すぐにやるのは違和感がありますけどね。

「うちの後輩はすごく頼もしいんです!」「うちの上司はすごく仕事できるでしょ?」という気持ちを込めて、クライアントや取引先に誇らしげに「うちの○○さん」って呼べたら幸せだろうなぁ。というわけで、私もこれから仕事仲間のことは「○○さん」と胸を張って呼びますよ。

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