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「短歌人」2024年12月号掲載作品

イマジナリー灯台守

長く長く君と話した薄暗いカフェの片すみ小さな声で

親切な人だつたんだイマジナリー灯台守のやうに無口で

黒猫がするりと夢をぬけ出して夜の一部として蹲る

秋雨を窓に見てをり梟の銀のブローチ襟元に留め

戻れないほど引き込まれ頁繰る古い港町の物語

百円にてもとむる『月と六ペンス』ふるほん市の小さき出逢ひ

永遠にあなたは私を振り返る光をさがす眼差しをして


※同人2欄 冨樫由美子

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