「モダンラブ・東京 」第1話から考える子育ての理想と現実
たまたま予告を見て気になっていた、東京の街を舞台に現代の愛を描くAmazon Originalドラマ「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~」の第1話「息子の授乳、そしていくつかの不満」を見ました。
予告編はこちら↓
愛にまつわる物語を描いたオムニバスドラマ。第1話「息子の授乳、そしていくつかの不満」には、水川あさみさんと前田敦子さんが出演しています。
2人は同性カップルを演じていますが、主に描かれるのは幼い子どもを働きながら育てる母親としての葛藤という普遍的なテーマです。
あるあるあるある!!!
分かる、分かる、分かる!!!
ラストは思わず涙…。
母乳神話を信じ、仕事も子育てもどちらも一生懸命な主人公。
でもがんばり過ぎてて空回り。
子どものために…と思ってやることが周りからか理解されなかったり。
共感ポイント多数なストーリーでした。
私がこの作品で涙したポイントはいくつかあるのですが、
母親である主人公が
・仕事人
・子どもにとっての母親
・今回の場合は同性カップルのパートナーにとってのパートナーのしての役割
・自分の母親にとっては子ども
など、作品の中から見える様々の役割の中での
理想と現実、葛藤が短いながらも丁寧に描かれているなぁと感じました。
サブタイトルの「さまざまな愛の形」にあるように、
登場人物たちの愛する人たちへの愛が、
かける言葉や行動にあらわれていて…
でも無我夢中の主人公はそれに気付いていない…
そのあたりも個人的にはじわり涙腺が緩むポイントだったり。
終盤に出張中のフライトでひとりで3人の子どもを連れているママとコミュニケーションを取っていた主人公。
「3人も子育てする秘訣は?」と投げかけたその問いに、そのママは
「私たちはどの道を選んでも罪悪感からは逃げられないんだなぁって。
でもそれは子供を愛してるから。」
あぁ、まさにそうだなぁ。と響いた台詞。
私は母乳が出なかったのでひとり目はずっと粉ミルクでした。
産後、病院の授乳室に貼ってある「赤ちゃんは母乳で育てましょう」のポスターを見ながら哺乳瓶で粉ミルクをあげている自分をダメな母親だな…と思ったこと。
何気なく聞かれる「母乳で育ててる?」の問いが苦しかったこと。
子どもを預けて仕事に行く時の罪悪感。
誰にも責められていないし、強制されていないのに、なんとなく子育てに関することは母親である自分が全部ちゃんとやらないといけないような気がして、自分で自分を追い込んでいたひとり目の子育て期。
誰かに助けてって言えなかったし、自分がちゃんとやらなくちゃ…そうでないと母親失格…そんな風に思っていました。
2人目、3人目と子どもが増えるたびに
子育ては決してひとりでは出来ないのだと痛感。
そして少しずつ、「頼る」ということを自分に許してあげられるようになっていきました。
今、3人の子どもたちは小学生、中学生になりましたが、
成長と共に今度は違う子育ての悩みも出てきて、結局のところ子育てに終わりはなく、今も自分の仕事を優先するような時は罪悪感は拭い去れないことを私自身も身をもって経験中。
だからこそ、世の中の女性たちには子育てを一人で頑張り過ぎないで欲しいし、社会にはひとりの人間として母親へ自己犠牲を強いることなく、自分の人生を大切にしながらも子育てを安心して出来るようにもっとあたたかい目と心と政策で支えて欲しいな…と思います。
悩んで苦しいことも、我が子を大切に思うからこそ。
そして、この作品、
主人公の母親の主人公への愛が沢山散りばめられていて。
見終わった後、我が子への愛を再確認すると同時に、「あぁ、私もこんな風に今も母親から離れていても、沢山の愛情を注いでもらっているんだな。」と遠く離れた母親を想い涙しました。
母親の子を想う愛は深く、優しく、そしてあたたかい。
ぜひ機会があれば見ていただきたい、そんな作品でした。
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