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いろは歌の謎(1)
梅原猛「水底の歌」の後に出た、この本「いろは歌の謎」
説得力があり、なにより、面白い(興味深い)。
いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむういのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
えいもせす
とがなくてしす
「とがなくてしす」について著者が発見したわけでないという感想がAmazonに載っている。
言いがかりに思える。意味の解説であり、発見したことをうたっている本ではない。P60~65 江戸時代 このことは知れ渡っており、手習いの初めにいろは歌を使わない 云々が記されている。47士と「咎なくて死す」との二つの意味を赤穂浪士の大石内蔵助が知っていたことも書かれている。
折り句について、古くから楽しんでいるのだから「とがなくてしす」は偶然だろうけれど縁起が悪いということは知れていたのだろう。
「咎なくて死す」の暗号文に戦慄した 著者のことば
「いろは歌」は、無実の罪に死んだある歴史上の人物の遺書であった。この驚くべき事実に、ふとしたきっかけで遭遇したわたしは、歴史の裏側に黒々と口を開けた深淵に思わず戦慄した。
「いろは歌」の暗号文は、「万葉集」に隠された謎と、古代史の謎を明かす大きな鍵であったのだ。
水底の歌
柿本人麻呂が、政治的犠牲者となって、流刑に処せられたという説は、古代史に独自の解釈を行った哲学者梅原猛氏の『水底の歌』を最初とする。
おおいに啓発されるところがあった。
柿本人麿は流罪刑死した――
千二百年の時空を飛翔して万葉集に迫り、
正史から抹殺された古代日本の真実をえぐる梅原日本学の大作。大佛次郎賞受賞!
天下第一の詩人、歌聖柿本人麿は、時の政権に地位を追われ、はるか石見国に流罪刑死!斎藤茂吉、さらには遡って賀茂真淵の解釈によって定説とされて来た従来の常識を徹底的に粉砕し、1200年の時空を超えて、日本古代史と万葉集の不可分の関係をえぐる。人麿の絶唱は何を意味するか。正史から抹殺され、闇の中に埋もれた巨大な真実を浮彫りにする雄渾無比の大作。
『金光明最勝王経』
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奈良時代から、国に凶事(災害・病気まん延等)が起こると、読経が命じられた。
著者によると、その後、柿本〇〇が昇進している。凶事を起こさないでと供養している。と。
後半は次回に書く予定です。
歴史好きな方、万が一「とんでも本」でも楽しめます。
私は、梅原猛ファンでもあり、「とんでも本」ではなく、まじめに研究されていると感じていますが。
Amazonの古本で安く手に入ります。お勧めです。