女に対して「ヤベー男」が結構いることを男は知らない。大豆田とわ子と三人の元夫#5
2週連続、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を見てブログを書いている。だけど今回もまた感情が揺さぶられてしまったから仕方ない。いや、実は前回とは違い、今回は別の感情でブログを書いている。
怒りだ。
というのも今回、ドラマの進行に欠かせない悪い奴が登場したんです。ここから先はネタバレも含むため、まだ見ていない方はぜひTVerしてください。
で。その悪い奴が何をしたかということを、すんごく色々端折って、一旦この段階で説明したい。
契約が本当に「完了」した状態で資材を発注したのかとか、契約書にキャンセルが発生した場合の費用や取り決めについて記載はなかったのかとか色々疑問はあるけど、業界ならではの慣行があるかもしれないのでここは深堀りしないとして。
あ〜いるいるこういう人。台詞とかめっちゃリアル!言われたことあるな~、などと思いながら、何人か思い出したくない人間の顔が浮かび気分が悪くなっているところで、隣に座っていた夫が言った。
「やべーな。最低じゃん。こんな奴いねーだろ」
わたしはこの一言にちょっと、驚いてしまった。
いるよ、全然いる。全然いるんだよ。
わたしにとって驚くほど既視感があった男が、彼にとっては「ドラマのやりすぎ設定」として映ったことは衝撃だった。
ふと思った。そうか、悪役男は、悪役台詞を人前で吐いたりはしないから、女たちがこんなことを言われている事実を知らない男性は多いのかもしれない。
そう思ったので、2週連続でブログを書こうと思うに至ったのである。
話が通じない
まずこの手のタイプの男性はおそらく、根っこに「社会をつくっているのは男性で、女性が社会生活を送りたい(仕事したい)のならば、一生懸命男性に尽くさなければいけない」という考えが前提としてある。よっぽど幼少期からの刷り込みがあったのか、揺らぐ気配はない。(ちなみにこういう考えを持つのは男性に限らない)
だからまず第一に、男性と女性とで接する態度が違う。一見、男性には厳しく、女性に優しく紳士的に見えたりもするのだけど、それはあくまで女性を戦力だとみなしていないからだ。
そういう固定概念が透けて見える台詞が、ドラマの中にもあった。
おいおい告白の返事を聞くタイミングでこんなこという男いる?!と思うかもしれないが、わたしの経験上、こういうことを言ってくる男は完全なる善意として、王子様気分で、自信満々に言っている。
この台詞に対し、とわ子はこう返す。
人の人生を失敗だと言ってきた相手に対して、この回答はかなり大人だと思う。だけどそれに対して、角谷は
ときた。そう、こういう男には話が通じない。欲しくもない手を勝手に差し伸べてきておいて、その手が不要だと伝えても理解ができないのである。
そんな「トンデモ男」はパット見、社会的信頼のある人だったりする
で、その後突然5000万のキャンセルだ。非常にダサい。身内がこんなことをやってたら恥ずかしすぎて土下座ものだ。これに対して冷静に話し合おうとするとわ子に、角谷はこう言った。
女は感情で仕事をすると言っている男性諸君に一度考えてみて欲しい。この男がやっていることこそ、最大級の「感情で仕事する」なのではないか。というか、こんなこと言って自己嫌悪にならないのだろうか。いや、ならないのだ。なぜなら彼にとって女という生き物は、男をたてるためにだけ存在するのだから。
ドラマを見て「仕事とプライベートの区別もつかないヤベー奴」と、まともな男性は思うかもしれない。が、社会的に立場のある人や、男性に慕われている人の中にこそ、こういう人間が潜んでいる。
こういう被害は表沙汰になりにくい。誰かに伝えたところで信じてもらえないどころか、「される側にも責任がある」的な二次被害にあったり「冗談も通じない」と言われて笑われる可能性もあるからだ。嫌なことをされた後、さらに嫌な目に遭いに行くのはなかなか勇気がいる。
人間と人間が会話をすること
とはいえ、これは男に限った問題ではなく、むしろ女が女をそのように扱うことも多々あるし、「社会は男がつくっている」というパワハラワードを、女を見下す為ではなく自分を鼓舞するためだけに使っている男性も多いだろう。そもそも育まれた偏見や考え方は、その人がひとりで積み上げたものではないのだ。
だけどその価値観を、他者を攻撃するために使うのはただの暴力だ。ひとりの人間と人間が話をするとき、性別は本当に必要だろうか。「その人自身はどうなのだろう?」と問いかけることで、自分の可能性も広がっていくのではないだろうか。なぜ自分が不快だと思うことを女なら不快じゃないと思えるのか。
...とはいえ角谷のようなトンデモ男を改めさせるのは至難の業、というか不可能に近い苦行なので、こういう人には気をつけましょうということと、「自分の考えを人に押し付けないように意識しよう」という自戒で終わりにする。
とりあえず来週の#6を楽しみにしつつ、とわ子が無事に平穏で面白くて個性豊かな家に帰れることを祈る。
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