ラストマイルを観た
ラストマイルを観ながら、ずっとこの人たちの休みの日の映画が観たいなぁと思っていた。
満島ひかりが演じていた役のオフの過ごし方の想像がつかない。どう考えてもあまり面白そうな休日を過ごしているようには見えない。
僕は仕事を頑張る系の映画がダメなんだ、と改めて思った。
登場人物はちゃんと仕事をしている人であって欲しいけれど、仕事のシーンは最低限しか描かないで欲しいとも思う。
誰と仲良くなったとか、恋をしたとか、美味しいご飯を食べたとか、僕はそういう話にしか興味がない。仕事での成長とか、出世とか、辛い現実と戦とか、そういうのに全然興味が湧かない。
疲れているのかな。きっと疲れているんだろう。仕事をすることに。だから休みの日にまで仕事の疑似体験なんてしたくないと思っている。仕事なんて大抵大変で、やってもやっても報われなくて、でも頑張ってよかったと思える瞬間も時々あって……、もうそういうのに疲れてしまった。
まあでも裏を返せばそこに僕の作家性があるんだろう。僕が書きたいのもそっちなんだ。休日の話。仕事のシーンが全く出てこない話。皆ちゃんとした仕事をしていそうな感じはあるが、肝心の仕事のシーンは一切出ない、そんな話。
ラストマイルの中で唯一興味を惹かれたのは岡田将生だった。岡田将生に関しては休日の過ごし方が想像できる。オンとオフをしっかり分けたいタイプの人間だと思う。でも時々仕事のことを考えてしまって、そんな自分に嫌気がさしている。
休日だけで一つの作品を創ろうとするとどんな話になるんだろう?何か事件を起こす必要があるかもしれないけれど、あんまり大きな事件にはしたくない。ちょっとした取るに足らない事件のために動いていると、予想外の展開になって、知らない誰かと関わることになって、いい感じに一日を終えて最後はみんなで乾杯、例えばそんな話。
そんな感じの小説とか映画あるかなあ。あるんだろうけどパッと思い浮かばない。そんな作品が創りたい。