僕が「ポリアモリー」を使うようになったのは-文学フリマ京都8出店します-
「ポリアモリー」という言葉を知ったのは10年くらい前だと思う。ここ数年で「ポリアモリー」はよく取り上げられるようになった。
僕が自身を「ポリアモリーかも?」と思い始めたのは、5,6年前くらいで、それまでは自分とは無縁のものだと思っていた。
しかし、モノアモリー(一対一の恋愛をすること)な人と一緒にいればいるほど、いろんな疑問が出てくるのだ。
「浮気ってどこから?」「そもそも、浮気ってなに?」「自分がされたら嫌なことって人によって変わるよね?」「あの人もこの人も好きって気持ちはコントロールできないよね?」「どうして、一対一じゃないといけないの?」
そんなモヤモヤを抱えているのに、それを面と向かって言えずにいた。相手からネガティブな反応をされるだろうと考えていたからだ。
理由はいろいろあるけれど、そういったこともあって、別れてしまうことが多かった。自分のことを話せず、「そうじゃない」と訂正できない関係は心地よいものとは言えない。
数年前に離婚したとき、僕は「自分のことを話せないような関係はもう作らない」と強く思った。そして、誰にでも自分について話すようにした。
そこで、初めて「ポリアモリー」という言葉を選ぶことになる。
自分の話をしたときに「ポリアモリーってなに?」と言わせて説明をする。そして、「この人はポリアモリーなんだ」と認識してもらう。
それを、親密な関係になる前の友人にするのだ。
僕のことをモノアモリーで、一般的な恋愛をする人だと勘違いされるのを防ぐために、何回でも「ポリアモリーだ」と話した。
その甲斐あって、今のパートナーは僕がポリアモリーであることを知った上で一緒にいる。
しかし、パートナーはモノアモリーである。
複数恋愛な僕と、一対一恋愛なパートナー。僕たちは、恋愛の部分を切り取ると、正反対な人間なのだ。
だから、たくさん話し合いを重ねた。
ふたりが共に生きるためには、お互いをどう理解していけばいいのか。どんな行動であれば妥協できるのか。なにが「浮気」で、僕たちはなにが違うのか。
たくさんの時間をかけた。
そして、僕たちはそれを文章にしてみることにしたのだ。
ポリアモリーとモノアモリーという全く違うふたりが、共に生きていくことは難しいかもしれない。
けれど、できないことではない。そして、話し合うことによって、僕たちは限りなく相手に近づける。
そんな会話そのものを文章にした本を文学フリマ京都8にて、販売します。
一冊400円で、文庫サイズです。
文章による対話を試みています。考える過程そのものを載せている本となりました。
ポリアモリーのことを知らない人にも、知っている人にも読んでみてほしいと思っています。
ぜひ、文学フリマ京都8にお越しください。
よろしくお願いします。
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