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超個人的な本を売るということ

昨日、文学フリマ大阪11が開催された。わたしはパートナーとやっている文芸サークル「うにゃむにゃ」で初出店。

その感想はもう書いたから割愛して、出店して別にまた思ったことがあったので書きたい。

文学フリマ大阪で出店しているときに、わたしたちの本を見て「あの、これって」と気になることを質問しようとした人がいた。
しかし、その人はすぐ「でも、超個人的なことですよね。あんまり聞かないほうが…」と続けた。

わたしは咄嗟に「超個人的なことを書いてるんで大丈夫ですよ」と返事。

このやり取りを思い返して、自分のことだけど「『超個人的なこと』という触れにくい部分を本にするのはなぜか」という疑問を持った。
今回はそれを文章にしたいと思う。

超個人的な今回の新作

初出店に合わせて作った新作は「ポリモノZINE 増補版」という本。
これはポリアモリー(複数恋愛)なわたしとモノアモリー(一対一恋愛)なパートナーが、交換日記形式だったり、対談だったりで、お互いを考えた本。

前作の「ポリアモリーとモノガミーの交換日記」の内容にいろいろを足すかたちで作られた。

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内容を見たら分かるように、超個人的なことを書いている。言ってみれば、ふたりの恋愛について書いてるわけだから超個人的なこと。「超」がつくくらい個人的なのだと言っていいと思う。

これを読んでくれてるあなたは、恋人や結婚した人との関係性(会話やお互いの考え方)を本にしようと思うだろうか?

あまり「しよう」と思う人は少ないだろうし、「したい!」と思っても、実現できる人は少ない気がする。(これはわたしの推測…)

どうして本にしたのか

そんな、超個人的なことを、なぜ本にしたのか。それは恐らく、わたしが「やりたい!」と言ったからだ。パートナーはそれに付き合ってくれたのだと思っている。

うにゃむにゃ、という文芸サークルはそうやって今まで運営されてきた。

昨日の文学フリマ大阪までは、プロジェクトとしてイベント主催をしてきたのだが、それも全てわたしが「やりたい!」「やる!」と言い、パートナーが付き合ってくれたのだ。

パートナーは「この人が『やりたい!』となったら仕方がない」と思っているのだろう。それに、わたしを支えたいのだと言ってくれる。
だから、わたしのやりたいことに付き合うことになるのだけれど。

わたしが「うちらのことを本にしよう!」と思ったのは、パートナーがこういう人だから。提案しても却下されるなと思っていたら言わないし、こんなことも言えるくらい、とにかく何でもかんでも話すからだ。

それから、「『ポリアモリーの本』はあっても『ポリアモリーとモノアモリーの本』は見ない」と思っていたこともあった。

複数恋愛をする人は少なく、好きになった人がモノアモリー(一対一恋愛を望む人)であることが多いと感じているわたしには、
「他のポリアモリーな人たちはどうやって恋愛してるの?」
と思うし、モノアモリーなパートナーから見れば、
「ポリアモリーなパートナーと、どうやって一緒にいられるのか?」
と考えてしまう。何かしらヒントがないかと探すものの、そんな文章は見つからない。

それなら、作ればいい。

そう思い立ったら早く作らないと気が済まないわたし。しかし、パートナーのペースもあるので、ゆっくりと作って、文学フリマ大阪11には間に合うようにした。

自己開示しまくるということ

ポリモノZINE増補版は、「わたしたちの関係性はこういうものです」と書いた本だ。

一般的には、恋人やパートナーとの関係はクローズなもので、オープンにしていくことではないと思う。こうやって本にするなんてこと、あんまり考えないかもしれない。

わたしは個人でも、noteやSNSでかなり自己開示していて、自己開示することが「知らないことを知るきっかけになる」と考えている。

わたしという媒体を通して、今まで知らなかったことに触れるようになる。そんなことができるのではないかと思っている。

自己紹介の記事でも書いているが、自己開示し、知らないことに触れてもらいたいのは、「知らないことはその人の中に存在しない」からだ。

存在しないことについて考えることはできない。

だから、できるだけ知ってほしいと思っている。ポリアモリーだけじゃなく、いろいろ。
わたしが自己開示しまくるのには、そういった理由がある。

そこらへんの詳しいことは自己紹介記事を読んでもらえればと思う。

超個人的なことは「未知なこと」

自己開示しまくって、知らないことに触れてもらう。それは「超個人的なこと」を発信にするということだ。

人には、いろんな側面がある。

わたしの場合は、ポリアモリー、パンセクシャル、ノンバイナリー(性自認がない)、元風俗嬢、精神疾患、虐待/いじめサバイバーなど。

これだけでも、あまり知らないことがあると思う。
どんな人なん?と思うかもしれない。それこそ、本を読んで欲しい。

こういう超個人的なことは、誰かにとっては「未知なこと」なのだ。
わたしにとっては日常であり、当たり前だけど。

だから、文章にして本にしたい。完全にはできないけれど、少しでも知らないことを考えるきっかけにして欲しいのだ。

「未知なこと」を売る

「知らないことを知るきっかけにしたい」と書くと、「noteなどを使って無料でやればいいのではないか」と思う人もいるだろう。
わたしもそう思っていたのだが、今回の文学フリマに参加して、「全然、わたしたちを知らない人がたくさんいる」と思った。

それは、「まだまだ、わたしたちが発信したことは届いていない」ということだ。
noteに書いて届く人たちと、文学フリマで本にして届く人たちは違う。そんな当たり前なことに気づいたのだ。

「対面販売で本にして届く人たちと、今まで届けていた人たちは違う」という実感があったから、こうやってイベントで販売していくことも、積極的にやりたいと思う。

わたしたちが書く、リアルだけど未知なる世界を、これからも届けたい。

次の出店は「文学フリマ京都8」出店

文学フリマ京都8では、2ブースで出店予定です。
「うにゃむにゃ」と「夢乃くらげ」で出します。隣同士になる予定なので、見つけやすいかなと思います。

販売するものは、
うにゃむにゃ→「ポリモノZINE増補版」
夢乃くらげ→「わたしは元風俗嬢」
になります。

両方とも、文学フリマ以外で販売する予定が今のところ無いので、冬の京都はめっちゃ寒いですが、ぜひお越しください。

フリーペーパーも作ってお配りする予定です。よろしくお願いします。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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