今日を生きる
朝から雨が降っていて
夕方前に静かになった
いつぶりの雨だろう
窓を少し開けてみる
涼しい風が入ってきた
裏の草が伸びている
ずっと気にはなっていた
雨上がりで土は湿ってる
日差しもなく、曇り空
明日は燃えるゴミの日で
今日だ、今日しかない
草抜きするには今日しかない
軍手を装着
外に出る
ゴミ袋片手に裏へ回る
思った以上に伸びている
端から端までびっしりだ
キムラさんごめんなさい
うちと隣は境がない
キムラさんちはいつもすっきりしてるのに
今、抜きますからね!
右、左、右、左
両手を交互にマシンのように動かして
一心不乱に抜いていく
しゃがんだ足が痺れてく
でも今日しかないんだ、今日なんだ
抜く、引っこ抜く
汗と土が飛んで散る
抜くんだ
涼しい風も吹いている
今だ、今しかないんだ
半分まで来た?
首を伸ばして奥を見る
うわー、まだまだあるぞ
わっせわせ
右、左、右、左
光速の両手使い
すごいぞ私
なんで素足にスリッパ履いてきた?
土が入ってじゃりじゃりするよ
大丈夫、気にするな
雨上がりの土は柔らかくて抜きやすい
ぷうんと草の匂いがする
土の匂いでもあるのかな
軍手がじわじわ濡れてくる
頑張れ自分
負けるな自分
うちの中から猫の声
待っててね!
ちょっと待ってて
お母さん今奮闘中
どれくらい経っただろう
雨がまたポツポツと
ゴミ袋もパンパンだ
よっこらしょと立ち上がる
ちょびちょびと、抜き残しはあるものの
ずいぶんスッキリ
ああ爽快
曇り空を見上げて汗を拭う
やった
やったぞ自分
吹く風が心地いい
急がなくてもいいけれど
今日しか出来ない事もある
明日はまた、きっと暑い
あいうえお作文にしたかった。
無理だった。
ただただ草を抜く詩です。
ただの昨日の日記です。
夏は続く。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?