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【書評】『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』働く事に対する世代間ギャップの原因がわかった。

こちらの本のタイトルにもある「稼ぐために働きなくない」ってめちゃくちゃ私がいつも思ってることなんですよね。

生活していくためにある程度のお金は必要だと思うけど、お金がほしいから働いているわけじゃない。


できれば楽しいことだけして生きていきたい。

だから「好きなこと」「楽しいこと」を仕事にしたい。


でもこれってなかなか上の世代には伝わらないことで、特に親世代には理解してもらえないことです。

親世代からすると「お金に困らず、安定して稼げる仕事こそ良い仕事」みたいな考えがありますから。

そのせいで将来の夢とかを否定されて、なかなか親に応援してもらえない、みたいな人も多いんじゃないかな。

少なくとも声優志望の方は私にそういう相談をしてきてくれる人が多いです。


でもこの本を読んで、どうして世代によって仕事へのモチベーションがこんなに違うのか、ということがよくわかりました。


何もなかった世代と何でもあった世代


この本では現代の若者のことを「乾けない世代」と称しています。

若い世代は生まれた時から「ないもの」がない。逆をいえば「なんでもある時代」に生まれてしまったからこそ「何かが欲しい」と強く乾くことができない、という話。

対して戦後の日本は「ないものだらけ」でした。だからこそ、高度経済成長期を支えた世代は自分でやった仕事がそのまま日本の未来へと繋がる、何をしても自分が何かを新しく生み出していると感じることができる世代だったわけです。


これによって仕事に対するモチベーションに世代間ギャップがある、という話が書かれていて、ものすごく納得しました。

今の30代以下の世代は「乾けない世代」なのです。


そして乾けない世代にとってもっとも犠牲にしたくないものが「自分の時間」だ、ということも書かれていました。

納得すぎる。


仕事と同じように家族や自分の時間を大切にしたいと思っているのが乾けない世代。

だからこそ、これからは「仕事とプライベートのワークライフバランスを考える時代」から「仕事とプライベートをいかに融合させ、いかにプライベート感覚で働いていくことができるか」ということを考える時代になっていくのだと思います。


私も今は声優ブロガーとして働いています。

声優として、一本で仕事をしていこうと思っていた数年間がありましたが、声優の仕事は特別お給料が良いわけではなく、しかも仕事は不定期。

急に仕事がおやすみになったりもするし、1クールごとにスケジュールが大きく変わるので、3ヶ月後にちゃんと仕事がある保証もありません。


そんな中で精神的に辛さを感じて、「もっと固定でお金を稼げる方法が他にあれば声優の仕事にも集中できるんじゃないか」と考えるよういなりました。

でも声優の仕事は不定期。急に仕事が入ったら駆けつけたい。バイトはしたくない←

それで考えてひねり出した答えがブロガーでした。

時間にも場所にも縛られずに働くことができる方法。


声優もブロガーも、どちらの仕事も私にとっては楽しい仕事で、自分のための時間という認識で働くことができています。

「明確な休み」というものがなくても楽しく仕事ができているのです。


「違う人はみな先生」って良い言葉だなぁ

文中に「違う人はみな先生」という言葉が出てきます。

これは著者のコミュニティ支援の師匠、(株)ウィズグループの奥田浩美さんの言葉だそうですが、

この考え方がとっても素敵だな、と思いました。


これからはきっと、「みんなが同じ作業をやる仕事」ではなく「一人一人の得意を活かしてそれらを組み合わせた仕事」をする時代になっていくと思います。

単純作業はきっとAIがみんなやってくれますからね笑


だからこそ、「自分にしかできない人」「その人にしかできない仕事」の組み合わせで仕事をやっつけていく時代になるんだと思う。

そしてそれはきっとそれぞれの個性や長所を活かした働き方なのでしょう。


そういった働き方をする時に、関わる人たちに対して「自分と違う人間というだけでリスペクトに値する」という考え方ができると

うまく歯車が周りやすくなっていくのではないでしょうか。


私にできないことはあなたにお願いしたい

あなただからこそお願いしたい

そんな風に、肩を組んで仕事をしていくことができたら素敵ですよね。


自分の働き方について深く考えることができました。

そして働くことへのモチベーションが世代によっても違うんだ、という気づきをくれた本でした。


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幸田夢波
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