美しい仕事。
ようやく朝夕が涼しくなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は相変わらず汗だくになりながら愛車で全力疾走しています。
今日は久々に内勤だったので、ずっとデスクワークをしていました。ようやく入社して1ヶ月が過ぎたところですが、どんどん仕事を任されるようになってきて少し困惑しています。今日はトップからいきなり「うちのスタッフは文章が書けないから指導してやってほしい。」と頼まれ、なぜかベテラン社員のメール文章を添削することになってしまいました。最初はプリントアウトしてもらった文章に赤ペンを入れようとしたのですが、訂正箇所が多かったので結局全部こちらで打ち替えてしまいました。私がサクッと作った文章を見せると「AIみたい。」と言ってすぐにトップに見せてOKをもらっていたようです。そうすると次々と文章訂正の依頼がやってきたので、まるで千と千尋の神隠しに出てきたススワタリみたいにどんどん自分の頭の石を落として、私が助けるみたいな状態になってしまいました。そして、今日は電話対応も私一人だったのでひっきりなしにかかってくる問い合わせ電話を一人で対応していました。もちろんQ&Aマニュアル等はなく、その場で臨機応変に質疑応答しているやりとりしている姿を周りの人が見て「安心する。」となぜかお褒めの言葉をいただきました。私は正直相手に合わせて思いついたことを伝えているだけなのですが、どうやらその対応は間違っていなかったようです。
そうやって一人バタバタと業務をこなしていると、今度はとなりの新人が怪しげな行動をとっているので何をしているか見ていると、封筒に入れる書類が表裏反対に入れていたのです。私は表面と宛名は同じ向きにした方がいいのではと伝えると「なぜですか?方向を揃える意味がわかりません。」とつかかってきました。大学教員のときであれば、学生がそんなことを言ってくると厳しく指導していたのですが、今は指導する立場ではないので、なぜおかしいと思わないのか探ることにしました。すると彼の言い分は封筒を開けるとき、裏を向けて開けるから開けた時に表紙が出てきた方がいいと主張するのです。みなさんはこの考えについてどう思われますか?私はやはり宛名と表紙は揃えるべきだと思いますがやりとりするのが面倒くさくなったので、彼には「私たちはわかりあうことはできないね。」と言って、早々にこの議論を切り上げてしまいました。
そして、今度は違う書類を送付する時に私が送付状をつけた方がいいよとアドバイスをしたら、「送付状ってなんですか?」と聞かれたので目が点になってしまいました。ちなみに私のゼミ生にはメールの書き方から送付状の作り方、お礼状の出し方まですべて指導していたので、ほとんどの学生が書けるようになっていました。でもおそらくそんなことを学ばずに社会に出る学生がいかに多いのかなと考えると、これからの組織運営は本当に大変だなと思ってしまいました。
最後に書類の封入作業を一緒にしたのですが、書類をバラバラにして1つずつ探しながら作業をしていたので、これはダメだなと思ってしまいました。実際にその作業をする前に封入ミスをしていたのですが、彼がなぜそのようなミスをするのかよくわかりました。彼は仕事を効率よくかつミスなくすることの意味が理解できるいないのだと思います。彼にとっては効率よくかつミスなく仕事をすること自体が目的であって、その先にあるお客様にどう満足や感動を提供するかという意識が全く感じられないのです。なので、作業をしている姿もどこかバタバタしていて姿勢が美しくないのです。私が美しい姿で仕事ができているとは思いませんが、トップはじめほとんどのスタッフから信用を得ているということから、ある程度の美しさは保たれていると判断しています。もし彼が私の教え子であれば、徹底的に指導するのですが今その立場ではないということに加え、今は自分のことに集中したいので、なるべく視界に入れないようにしています。ただ、彼のような若者がどんどん社会に輩出されることは如何なものかと思うところもあるので、やはり教育に特化した大学を早く作りたいなと思ってしまいました。
これから大学教員になるひとには、ビジネスマナーも教えることができるひとになってほしいと思います。そして美しい所作によって自分と自分が大切にしたい人を笑顔にできるように私も精進していきたいと思います。