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幼虫からさなぎへ。さとゆみさんとの出会い
2024年2月、私はさとゆみさんが主宰する「さとゆみライティングゼミ東京道場」に参加した。
私は昨年、以下の記事で「お金をかけなくてもライターの知識は学べる」「経費で割り切れる月額2,000〜3,000円程度が無難」と熱弁している。
そんな私がなぜ、決して安くはない講座を受けるに至ったのか。私の価値観を変えたさとゆみさんとの出会いを語ってみる。
出会い
さとゆみさんを知ったのは、所属しているコミュニティの公開インタビューだった。コミュニティ運営者(以後:Eさん)が、さとゆみさんにインタビューをするという内容。
そのころ私は、生まれて初めてのインタビュー(オンライン)を1週間後に控えていた。「質問の仕方は?」「相槌の打ち方は?」そんな基本を、公開インタビューから学ぼうと思った。
正直なところ、SNSで繰り広げられる我流ライター論や、表面的な賞賛(通称:よいしょ)にはうんざりしていた。だからさとゆみさんのことも、失礼ながら「どうせ金儲けでしょ」「私は流されて講座に申し込んだりしないんやから」なんてひねくれた見方をしていた。なんとも嫌なやつだ。
こんな生き方がしたい
ななめ45°感満載の私が目にしたのは、ひまわり畑から登場したような女性。公開インタビューのアーカイブで見たさとゆみさんの第一印象は、「底抜けに明るい人」だった。
「私、今が1番楽しいかもしれない」
「ゼミの卒業生たちとね、『コレカラを日本一のメディアにしよう!』って話しているの」
さとゆみさんの近況を聞いて「なんか楽しそうだなー」「うらやましいなー」と話す、Eさんとの掛け合いが楽しい。
どうやらEさんとさとゆみさんは、上阪ゼミの仲間のようだ。「あのときはすごい大変だったなー」「うんうん、でも楽しかったよね!」と話す2人から目が離せない。同時に「人の上に立っている2人でも、時間と費用をかけて学び続けているんだ」と気づいた。
この辺りで、私の「お金をかけなくてもライターの知識は学べるでしょ!」という考えが、少しだけ揺らいだ。例えるならば、核ではないけれど大切なパーツを抜かれたジェンガがわずかに揺れる、あの感じ。
AIに対する名答にズキュン
いやいや、そんな簡単には流されへんで。
気を取り直して動画を見続ける。ちょうどChatGPTが話題になっていたころだったこともあり、Eさんがさとゆみさんに「AIについてどう思う?」と投げかけた。
はいきた!
「AIに仕事を取られるわよ。嫌だったらうちのゼミにきなさい!」的なこと言うんかな?
ななめ45°(芸人さんね)の仲間入りしたほうがええんちゃう?ってぐらい、ひねくれた私の予想は見事に外れる。
「私は大丈夫だと思ってる。だってAIはまとめるのは得意でも、とっ散らかすことはできないでしょ?」
「そうそう!」
思わず声が出ていた。SNS内外でさまざまなAIに関する意見に触れたけれど、ここまで納得のいく考えはなかったから。
人に惚れた
公開インタビューを見終わった後、私はすっかりさとゆみさんという「人」に魅了されていた。ジェンガの核となるパーツは抜き取られ、バラバラ。1つの価値観が崩れ去った瞬間だ。
理屈ではない。直感で、「この人に縁しないと後悔する」と思った。さとゆみビジネスライティングゼミ4期に申し込んで見事に落選し、急遽開催が決まった東京道場に迷わず手を挙げた。夫には後で説明しよう、彼はきっと私が真剣に話せば分かってくれる。そんな信頼もあったと思う。
"ピン"の講座に参加してみて
なんのためにライター講座を受講するのか。きっと「モヤモヤをスッキリさせたい」「書くスキルを上達させたい」と答える人が多いのではないだろうか。
さとゆみゼミを受講した後、私の心はスッキリするどころか、間違いなくドロドロしている。ただ、単に苦しいだけではなく、先には成長がある。これはさとゆみさんのトークイベントで聞いたのだけれど、蝶の幼虫はさなぎになったとき、いったん溶けてドロドロになるそうだ。
まさにこのドロドロ。産みの苦しみってやつ。楽して稼げる方法なんぞ、あるわけない。100歩譲ってあったとしても、その人の成功パターンが他の人に当てはまるとは限らない。
キリのほうの講座は、楽な道を提供してその人から「思考の機会」を奪う。一方、ピンのほうの講座は、とにかく考えさせられる。考えて悩んで行動するから、結果的に次の道につながるんじゃないかな。今はまだ、さなぎの真っ最中やけれど、そんな気がする。