
収穫は「気づき」
「力のある人は相手の課題を指摘するのではなく、気づかせていく」と聞いたことがある。
2024年2月10〜11日に初開催された、合計18時間の「さとゆみライティングゼミ道場【東京】2days」。この2日間で私は、ライター・佐藤友美さんこと、さとゆみさんから多くの「気づき」をもらった。
【気づき1】思考がぜんぜん足りない
道場に参加するまでの私は、「自分は結構、物事を深く考えているタイプよね」と思っていた。そんな都合のいい思い込みが、木っ端微塵に崩れていく。もちろん「あれはどうなんだろう?」「こうしたらいいんじゃない?」と考えを巡らせてはいる。ただ、全て表面的で、本質に迫りきれていない。
2日間の内容はとにかく濃密だった。会場に着き、初めて対面するメンバーとの出会いにドキドキ…
する間もなく、最初のワークショップ。「あなたはいつまでに、どんなライターになりたいですか?」
「書き終えた人は手を挙げて」というさとゆみさんの言葉を受け、メンバーが手を挙げている雰囲気がなんとなく伝わってくる。やばい、やばいぞ、すでにこの時点から、自分の思考が足りない現実に直面した。だってスラスラ書けるはずの目標が、、ぜんっぜん書けない。
ライターを名乗り、収入を得るようになってから3年あまり。普段から理想のライター像を思い描いているはずなのに、ひと言にまとまらないのだ。てのひらに汗がじんわりとにじむのを感じながら、なんとか「3年後までに、取材相手の本音を引き出せるライターになりたい」と書いた。
【気づき2】言葉を扱う意識の低さ
1日目終了後の懇親会のとき、さとゆみさんが、某漫画家の死去に際して小学館の編集者たちが公表したメッセージについて話してくれた。「賛否両論あるけれど、かれらは大丈夫だと思う。批判がくることを想定した上で、あえて発表しているから」
かなりボリュームの大きいBGMが流れている店だったが、このときばかりは全く耳に入ってこなかった。ほかのメンバーも同じ様子で、みんな真剣にさとゆみさんの次の言葉を待っている。
「怖いのはね、想定していない批判。私はそこんところかなり気をつけているんだ。SNSなんかでも、ちょっとでも迷ったら投稿しない」
道場のワークショップをスタートする前、さとゆみさんは「文章を見せるのは、かなり恥ずかしいこと」「文章への批判は命に関わる」旨の話をしてくれた。だから「道場の2日間は、1番やさしい自分でメンバーに接するようにしてください」と。
自分が発した言葉が人を勇気づける可能性があると同時に、刃となって誰かの心に突き刺さる危険性をはらんでいる。書く仕事をするのなら、自分の文章が誰かを批判していないか、決めつけていないか、勝手に評価していないかを問い続けなければならない。そんなメッセージが伝わってきた。
私はどうだろう?決めつけや勝手な評価、人を傷つける言動はもちろん控えてきた。しかし、それは結局のところ、自分を守るためではないだろうか。さまざまな考え方の人がいるから、とりあえず言い切りは避けておく、そんな感じ。
もちろん自分を守る意識も大切だ。しかしライターとして書く仕事をする以上、「言葉が人の命を奪う可能性」を慎重すぎるぐらいに考えなければならないと感じた。
【気づき3】激甘な自分
道場に参加した1番の収穫は、これでもかっていうほど、自分の甘さが浮き彫りになったこと。ボーっと生きているつもりはなかったけれど、きっと、両手ですくった水が指の間から流れ落ちるように、大切なことを見逃してきたのだろうなぁ。
懇親会で感想を尋ねてくれたさとゆみさんに、私はその思いを話した。「実は書いてみたいメディアがあって、応募したんです。でも道場に参加して、こんなんじゃ受かるわけないと思いました」こんな感じのことを話したと記憶している。
「それに気づいたの、すごくない?」そう返してくれたさとゆみさん。続けて「編集者はそのメディアのことばっかり考えているから、メディアの記事を本当に読んでいるかは一発で分かる」と。
あーーー見抜かれている、と思った。まだまだ甘い。道場が終わった翌日から、数日かけてそのメディアの記事を公開されている分、全て読んだ。
私が応募時に提出した企画、もろかぶり。失礼極まりない。こんなのハネられて当然だと思った。もっと分析して、自分は何ができるか考えよう。そして、受かるまでPDCAを繰り返して企画を出し続けようとハラが決まった。
波を起こす出会い

2023年11月、さとゆみさんを知る前の私は、ぬるま湯にドップリと浸かっていたように思う。営業しなくても仕事は入ってくるし、書いていて楽しい。漠然ーとした不安はあるっちゃあるけれど、上を見たらキリないよね…と。
半信半疑で見た、さとゆみさんへの公開インタビュー(この辺のことは別記事で書く予定)。
見終わった後、私は「この人に近づきたい」と思った。すぐに書籍を注文して読破し、連載なども拝見した。知れば知るほど惹かれる、何が何でも縁したい!
「縁する人によって、人生は大きく変わる」私の指針だ。「この人に出会わないと絶対に損する」と思った相手なら、手を伸ばしてジャンプして、何が何でも出会いたい。
念願かなってさとゆみさんとの出会いを果たした今、満足していたはずの現状に波が立ち始めた。まだまだいける、ってか始まってすらいない?!
伸びしろしかない。
※記事内に登場するさとゆみさんの言動は、一言一句同じではありません。少なからず私のフィルターを通している点をご了承ください。