#42「もう来てもいいよ、能登」
この表現。
読んでいる私も思わず、頭がぐわんとした。
これがきっと、「読者を現場に連れていく」ということなんやろうな。
「能登にこないでください」
私もこの発言に影響されたひとりだ。
もちろん行ける状況ではなかったけれど、むやみやたらに動いたらかえって迷惑になるんやな、と思った。
何をすればいいのか分からない。
わずかながらの募金ぐらいしか思いつかない。
何かしたい、けれど、迷惑をかけたら本末転倒。
悩むうちに月日は流れ、「何かしたい」思いが少しずつ、日常に埋もれていく。
✳︎
数日前の「今日もコレカラ」で能登の現状を知った。同時に、結局なんにもせず、傍観者になっていた自分を反省する。その日から能登のニュースを調べ、信頼できるかを判断し、拡散するようにしている。
そんなとき、ある学校関係者が作成した動画に出会った。
「半年が経過した今、能登半島地震のニュースはほとんど報道されなくなっています。しかし、能登の復興は、全然進んでいません」
現実を思い知る。
同時に、子どもたちの現状が伝えられる。家を失い、職を失い、やる気をなくした親のもとで、貧困に直面する子どもたち。わずかな揺れや赤いランプ、物音に取り乱す場面も少なくないという。
集団での生活が強いられる避難所では、当然ながらプライベートな空間などない。窃盗や、性犯罪などもあったそうだ。
これ、遠い外国の出来事ではない。全て、この日本で、わずか半年ほどの間に起きている現実。そして、今も続いている。
私は何をしているんやろう。何ができるかは分からないけれど、足を運んで自分の目で確かめるべきではないか。
「もう来てもいいよ能登」
なに、言わせとんねん。なぁ自分よ。
どんな思いで、能登の人たちはこのハッシュタグを考えたのだろう。
「来ないで」と言われたからといって、約半年間、何もしなかった自分。
状況なんて、変わるに決まっているやん。
ニュースで報道しなくたって、今は自分でいくらでも調べられる。
調べる。知る。できることを考える。
能登に行きたいな。
▼6月20日の午前7時ごろまで読めます!こちらもぜひ♪