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映画「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」は…映像は綺麗だが予定調和で中身が薄かった (映画館で観た感想・レビュー)
ウィリー・ウォンカのキャラクター
前作を知っている人はどうしてもジョニーデップと比較してしまうのではないだろうか。自分もそうだ。
告知映像を観た時からどうにもウィリー・ウォンカにしては頼りないような、奇妙さが足りない気がしていたが、やはりそうだった。
ウォンカの俳優は細い声で話すタイプ。素朴な普通の青年といった感じ。あまり抑揚がない。「細い演技」といった感じだ。
映像は良い
なかなかのクオリティで世界観が作られている。だけどそれにも関わらず何だか心に響かない。
予定調和すぎて驚きが少ない
怪しげな宿を訪れ、誰もが予想した通りに罠にはめられる
ウンパルンパがウォンカに頭を差し出すように言われるが、案の定フライパンで殴られる
船に乗せられて予想通りに爆弾を仕掛けられている
万事がこんな風で決して観客に驚いたり笑ったりすることを許してくれないのだ。あえてオチを見せるタイプの説明過剰な演出。映画を観ている時はもっと驚いたりドキドキしたいのだけれど。
構成はきっちりしているが
きっちりしすぎている感じする。正しいシーンで始まって、正しいシーンで罠にはめられて、正しい尺でミュージカルシーンが入って、何もかも適切な配分なのだ。だからこそ作り込まれすぎていて面白くないというか、王道のセオリーにきっちりと乗りすぎている感じがした。
過去に学んでHOW TOを磨き上げた優等生という感じ。
ミュージカルの歌に感動できない
自分はミュージカル映画は好きで映画館で観ると熱い気持ちが込み上げることもあるのだが、この映画の歌には何も感じなかった。決して悪い歌でもなくちゃんとしたミュージカルシーンだと思うのだが。不思議だ。
チョコレートの奇跡が面白くない
たとえば恋に悩む気弱な男がチョコレートを食べると勇気が湧いてきて、片思いの人に告白して結婚さえできる。だから何?っていう感じ。
ウンパルンパ
さすが見どころ。ちょっと面白かった。
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だがものすごくたくさんのウンパルンパが出てきたりはしない。
どこかで見たことのある顔だと思ったら海外の有名俳優の人だった。ヒューグラント。
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ちなみに前作のウンパルンパのシーンをYouTubeで見返してみると映画館でもないのに関わらずなんだか胸が踊る。この違いはなんなのだろう。
制作はディズニーでもユニバーサルスタジオでもなくワーナーブラザーズ
ずっと前の作品だが前作の「チャーリーとチョコレート工場」もワーナーだったようだ。前作は良かったと思うんだけど。
危機一髪
チョコレートの海に沈められて死にそうになるウォンカ。どうやって危機を脱するのかと思いきやなんとなくウンパルンパが現れて、チョコレートを注ぐレバーを止めて助けてくれるのだった。
なんともあっけない。最大のピンチの見せ場でさえこれだからやはり起伏がない。
「なんの感動もなかった」
映画館から出る他のお客さんがそう話していた。前半30分しか起きていられずあとは寝ていたと。「あれがウォンカなんて信じられない」的なことを話していた。
結果
書き出したら酷評ばかりになってしまった。残念ながら心に残らない映画だった。
だが他の人のレビューも見てみると「最高の映画だった」とか書かれてるし、ほんと映画に関して人の感想というのは分からないものだ。