「いつでも辞めてください」の真意を知って。
私は転職を4回している。
31歳にしては、少し多いかもしれない。
・地方銀行の窓口営業
・大手総合住宅メーカーの総務経理
・大手損害保険の代理店営業と事故対応
・中堅損害保険の経理
・大手子会社シェアードサービスの経理
と、業界は金融・不動産に偏りはあれど
職種は結構バラバラで。
世間一般では、ジョブホッパーというのかな。
これまで様々な取引先、同僚、上司の方に出会い、中には「その言葉、録音して労基に暴露したろか?」と言いたくなるような人もいた。
そんな私が今でも心に残るのは
4社目の上司の言葉。
転職1日目、初対面ですぐ、こう言われたのだ。
「ゆまこさん、いつでも辞めてくださいね」
聞いた瞬間、頭の中は???で埋め尽くされ
「ん、どういう意味ですか?」
と、私は聞き返していた。
これから頑張ろうと言う日に失礼な!
そりゃ、私は短期離職が多くて
企業目線で言えば、不安要素かもしれないが…
と悶々としていた私に、上司は言った。
「言葉足らずで申し訳ない。
ゆまこさんにとって、この会社が居心地いい
成長できる、働き続けたいと思えたなら
ずっと居てほしいと思っています。
一方で、転職が当たり前になり
終身雇用も崩壊している今
惰性で企業に属する必要はないとも思います。
僕が貴女に求めるのは、いつでも転職できると
胸を張って言える仕事をして、スキルをつける事。
例え、この会社に何かあっても
よりいい職場に転職できる人材になること。
その気持ちで仕事に励んでほしいんです。
それは結果として、会社にとっても
ゆまこさんにとってもいいことだと思います。」
この言葉を聞いて私は
この人、良い上司やな…!と思った。
前職までの上司は、私のキャリアというより
その企業で昇進して生き残るためのアドバイスを
多くしてくれた。
CMもたくさん流れ、時折ニュースにも出る
女性の働きやすさに定評がある安定した大企業。
多くの社員には、転職の選択肢が頭にない。
それは上司も同じで
転職=社格が下がる、と言われたこともある。
その環境が私にとって当たり前で
転職を否定的に言われてきたのもあり
新しい職場の上司の言葉が
より響いたのかもしれない。
「あ、やっと理解しました。
ありがとうございます。その気持ちで頑張ります」
私が上司にそう言うと
「ま!結果として弊社で長く働いてもらえたら
それが1番嬉しいけどね。
でも僕は、いつでも転職できる自分になるを
目標として仕事をしてきたし、実際できる。
それでもこの会社が好きだから居るんだよね」
と社風含め色々と教えてくれた。
一身上の都合により、この職場は退職したが
リファラル採用もしているため
もしご縁があれば、また働きたい会社だった。
今でも上司含め、当時の同僚を尊敬しているし
そう思える企業で働けたのは、私の財産だと思う。