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新型コロナとコミックマーケット・後編


個人的には「コミケ」中止よりも、「新型コロナ」による経済活動の停止が最大の問題であると考えています。

「クールジャパンとオタク産業の真実を語ってみると」でも指摘しましたが、同人作品を購入する人たちが皆お金持ちではないからです。

例え同人ファンといえど購入できる資金は少ないわけで、当然、我々同人作家は辛い日々を送ることになります。これはすでに経験していて、また同じことがやってくるのかと憂鬱な気分でいます。

「とらの穴」など同人誌を扱う店舗の閉店が続いています。どこまでいくのか今は分かりません。ネットでのダウンロードサイトは大丈夫ですが、実店舗はやばくなってきています。

バブル崩壊後の苦しい経済状況は他のnote記事にも少し書いています。ですがバブルの頃の同人イベントはどういう状況であったかはあまり説明していませんでした。今回はそれを分かる範囲で説明して行きたいと思います。

「コミケ」の悪いところで、何時までも昔の良いところだけを拡大解釈し続けているからです。同人のことを知らない人達は「コミケ」は世の中の経済状況とは関係ないと思っています。むしろ不景気になればなるほど、同人は繁栄していくように考えています。

とくにアダルトコンテンツは大繁栄すると思われていて、実際にそんな話をしている人間を大勢見てきました。また、辟易するくらい儲かるだろうと言われてもきました。

答えはそんな訳あるか!!──です。

この「噂」は迷信のように頑固です。
話は重複し絡み合っていますが、順を追って説明して行きたいと思います。


*まずコミケから──。


「コミックマーケットを語ってみると」では殆どバブル期の「コミケ」のことを書いてきませんでした。それは我々がサークル活動を初めた頃は、バブルが弾ける少し前で活動中はバブル崩壊とともに不景気の嵐に遭っていたからです。

いま考えると残念なのですが、オリジナルから二次創作と18禁作品へと作品製作の舵を切ったときにはバブル崩壊に入っていました。逆に言えばバブル景気の時に「オリジナル」同人誌を製作していたのですが、それでも路線変更を余儀なくされるほどオリジナルに人気がなかったのだとあらためて認識させられています。


補足的に「バブル期」の「コミケ」のことを少し説明すると、戦場のような賑わいであったそうです。いまでも「コミケ」のことを戦場に例えることは良くあるのですが、コミケのすごさを語る人々はこのバブル期の「コミケ」のことを語っています。現在ではありません。

サークル活動最後の頃には半ばまわりから促され続けて、一度だけ、「コミケ」にサークル参加していますが現実は嫌と言うほど聞かされていた話とは違うものでした。

持ち込んだ同人誌は完売するからと言われ続けていたので、それなりの数を準備していましたが、多くの同人誌を持ち帰ることになりましたし、言われていた多くのことと現実がやはり違っていたのです。


実はサークル活動を始める前にバブル期の真っ只中の「コミケ」の話を聞かされていたことを思い出しました。

「コミケ」に行こうと誘ってきたあるオタクな人物なのですが、「コミケ」参加してきて沢山の同人誌を、紙袋ごともってきて置いて帰りました。いまの「東京ビッグサイト」が会場になる前です。

まだコミケ帰りの大きな紙袋は定番という認識すらなかった時期ですが、ずっと「コミケ」は紙袋だった訳です。

この時、「なにこの本──?」と手にとって思わず言ってしまいました。

出来が悪すぎて、製本する意味がないと感じるものばかりだったのです。この同人誌をもって来たものも、クズ本であると認めていました。中身を見ていないものまであるとかです。捨てるのも勿体ないのでもって来たと言うことでした。

なぜこんな同人誌を買ったのかと聞くと、コミケの戦場のような雰囲気に飲み込まれて買ってしまったそうです。人気のバーゲンセールで商品を奪い合う心理と同じです。
欲しい同人誌はすぐになくなってしまい、残っている同人誌でもとにかく手に取らないとなくなってしまうかのような焦りがあったそうです。どんな同人誌でも奪い合いが普通だったそうです。

それでも「オリジナル」作品は一冊もなくて、落書きのような同人誌でも二次創作でかつまた18禁作品だった。「コミケ」ファンにはオリジナル作品は拒絶されていたと言って良いでしょうね。

当時の我々に完売するからと言い続けていた人たちは、この時期の話をしているのだと思います。また別の人物からは売れ線サークルは値段の付け方が大事で、端数が出る値段だと小銭の扱いが大変であると聞かされていました。

バブル絶頂の時は小銭が多すぎて捨てて帰ったサークルもあったとかです。

これくらいの時ならばあるいは完売したかも知れません。
バブル絶頂期は一般参加する人達も潤沢な予算を持って参加していたのです。財布の紐もゆるゆるでしたが、それはなにも同人だけの話ではありませんでした。車でも家電でも何でも売れていた時代でした。


初めて参加した「コミケ」でしたが、すでにバブル崩壊後の不景気に苦しめられているときでした。一般参加してくる人数は同じでも、一人が購入する同人誌の数は激減していたのです。これが「コミケ参加者」も一般の人たちにも分からないのです。参加人数だけで見ていて同人誌の頒布数で考えていない。


つまり限られたごく僅かのサークルしか完売していないことになります。
この時期はまだ「CLAMP」がいましたのでそういう有名サークルだけだったと思います。

同人はとにかく目の前の現実を見ていない人ばかりでした。何時までも何十年も昔の出来事が続いていると信じている人しかいません。コミケの運営に携わっていた人達までもです。

今回の「コロナ禍」が過ぎて平常に戻ったとしたら、今まで参加できなかったファンが殺到してくるかもしれません。参加人数が多くても、参加者一人の購入する同人作品の数は「コロナ」前よりも減っている可能性があるのです。

我々は初めから「コミケ」参加を考えていませんでした。

それは「コミケ」参加するためには旅費と宿泊費などを考えると出費は少なくありません。
サークルメンバー全員が参加するとしたら、100部程度売れても赤字になってしまい少なくとも300部以上売れてくれないと黒字にはなりません。

もし東京に住んでいたら、少ないイベント参加でしたが、「コミケ」参加は選択肢に入っていたと思います。ですが少なくない費用をかけて「コミケ」参加するだけの価値がないのです。

同人誌を作ることが大事なのであって、「コミケ」参加することが目的ではないからです。これを他のサークルに話しても誰も納得してくれませんでした。いまの同人サークルも同じです。

何度も指摘しますが同人誌を作ることよりもコミケ参加することが重要なのです。だから「コミケ」が中止になると同人誌は作られないのです。

サークル活動をやめてから不況に苦しみもがくことになります。
活動を終えてからも同人関係とは縁が切れておらず、いろいろな情報が入ってきていました。これに関してはすでにnoteの記事に書いています。

サークル活動を始めた頃は、インターネットそのものがまだなかった時代です。サークル活動をおえる頃にやっとインターネットが現れ始めていましたが、いまのようなネット環境がありそれで活動ができるのであれば、「コミケ」どころかイベント参加そのものを考えなかったかも知れません。



*コロナ後の経済活動──。


今回の「新型コロナ」終息後には必ず不況が待っています。コロナ不況です。

こんなに経済がとまっていたら確実に不況がやって来るのは誰でも分かりそうなものですが、自粛が終わると元に戻るように感じている人が多い。
そんなはずある訳がない。いずれ景気が回復するにせよ、直後は間違いなく不景気です。どうしてそんなに都合の良いことが思い描けるかと思います。

「自粛警察」などと呼ばれる人達がいますが、それが自分たちの首をますます強く締め付けていることに気付かない。気付こうとさえしない。バカなのかとさえ感じています。

バブル景気崩壊の時よりも、不景気になるのは経済に疎くても分かります。
バブルの時はどこからバブルが弾けたのかはわかりにくく、またこれから先の景気がどうなって行くのかさえよく分かりませんでした。

今はすでに倒産した会社は多くありますし、コロナで職を失うだけではなく会社から退職させられている人も多くいます。以前の職場がどうなっているのか調べてみたのですが、再開されておらずこの先どうなるか分からないですね。有名な企業では「レナウン」が倒産しました。これからもまだまだ続きます。

これだけ多くの人々が路頭に迷うとなると、バブル崩壊後の自殺者は数年間も3万人以上の数を維持していましたが、それ以上の数さえ現実味を帯びてきます。

「コロナ」でここまで人は死にません。もともと日本では「コロナ」での死亡数は少ないですし、重症かを含めてますます減ってきています。海外でもコロナが弱毒化しているかもしれないという意見さえ出始めています。

自分のまわりには「コロナ」の疑いのある人さえいません。

それを「コロナ」「コロナ」とバカ騒ぎのような怖がりようです。専門家の中には初めからロックダウンする必要がないといい続けている方もいますし、体の調子が悪くない限りマスクの必要もないと話しています。自分もこの意見には賛成です。

無警戒ではいけませんが、過度に恐怖する必要はないと思います。

いまの「コロナ」の騒ぎようは一種のヒステリー騒動と同じです。世間で言われているようなとんでもないウイルスならば防ぎようがないでしょうね。まさに破滅テーマのSF並みです。そんなウイルスならばすでに手遅れです。

とにかくメディアは「コロナウイルス」の脅威を煽ることばかりに躍起になっています。

当然、大げさどころか捏造さえ疑われる情報も多いのですが、そういう情報に限って人々は信じて大騒ぎをしているように見えます。むしろもっと怖がらせて欲しいようにも感じます。

「コロナ脳」と形容されている方もいましたが、まさにです。
マスコミはいまや害悪の一つです。とても公平な報道をしているとは言えません。



経済を回さなければどんな悲惨な結果が待っているかは、バブル崩壊後に経験しているはずだと思います。それが「自粛」ばかりを望んでいてはますます泥沼に沈みます。

他のnoteの記事に書きましたが、あの時はなんとかぎりぎりしのげました。
今回の場合、自分も昔よりも歳をとっていますし果たしてたえきれるかどうか分かりません。

我慢していれば元に戻ると信じている人達の頭の中身を見てみたい。「コロナ被害」の上に「豪雨被害」まであってこれでは経済が持つはずがない。困ったら国が助けてくれるなんてバブル崩壊後でさえなかったのに、頭の中がお花畑ですよ。

「オリンピック」は中止すべきです──。

東京都民の方々はどうかは分かりませんが、少なくとも自分の知り合いは誰も「オリンピック」の話すらしていません。他の国の話のようです。

「オリンピック」が決まった時はちょうど友人が遊びに来ていました。

費用も安く小規模の開催を目指すと言うことでしたが、そんなはずあるかと友人に話していました。それはオリンピックで一儲けを考えている人達の顔が大写しになっているようで、オリンピックを言い訳になにか仕掛けてくることが分かっていたからです。

予測していたとおり開催予算も規模もますます大きく膨れあがって、最初の話とはまったく違う都民の生活さえ圧迫するようなじたいになって行きました。

ましてや今回のコロナ騒動は日本だけの問題ではありません。

昔の東京オリンピックでは、道路や鉄道網の整備など諸々オリンピックによって整備されて市民に還元されるものは沢山あったと思います。

いまや市民へと還元されるものはなにもないといって良いほどで、オリンピックという美辞麗句を餌にボランティアも含めて搾取されることばかりです。一部の利権を握っている人達だけが儲かる仕組みができあがっている。

一般市民にとってオリンピックはなんの利益があるのかと思います。


昔は東京都民だけではなく日本全国が戦後復興の一つの指標としていたと思います。小学校に上がったばかりだったと思いますが、近所の大人たちもオリンピックの話題で盛り上がっていました。
東京に住んでいないのにオリンピックの歌を小学校の授業で歌わされました。卒業記念では「万国博覧会」でした。良い想い出ではありません。

一般の関心度は肌で分かっていますが、今と昔では関心度が全く違います。
熱湯と冷水くらいの温度差を感じます。オリンピックも万国博覧会も話すら出てきません。まったく無関心といって良いかも知れません。

昔のまま「オリンピック」さえ開催できれば全てが上手くいくし、日本中が関心を持っていると頑なに思い込んでいるボケ老人のようです。そういう面ではコミケ関係の人間と同じで現実をまったく見ていないと感じます。


*不況と噂の力──。


不景気になってくるととくになのですが、あり得ない噂話が広がります。
これもnoteの記事に書いていますが、同人のようなオタク業界が儲かるという噂が広がっていました。

もちろんそれはあり得ないことだったのですが、これもアニメ市場と同じでまったく根拠のない捏造です。「噂」だけで終わってくれればこんな記事は書かなくて済んだのですが、これを信じて異業種の企業がオタク市場へと参入してきました。

「噂」はいつの時代も人を動かす力があるようです。

もともとニッチな市場へ、新規に参入してくる企業が沢山あったので限られたパイを取り合うことになります。結果として昔からある企業は潰れるところも多数出てきて、新規参入してきた企業も撤退していきました。

新旧どちにもとくがなく、結局オタク業界は衰退してしまったわけです。そこに今回のコロナですから、新たな被害が待っていた。

毎回思うのはどうしてそんな「噂」を信じるのかです。

オタクは無尽蔵にアニメや同人にお金をつぎ込むと決めつけられていたようなところもありましたが、同人ファンといえどお金を稼がないとほしいものが購入できないわけです。世の中の景気に左右されないはずがない。

ほんとうに当たり前のことが抜け落ちている。


今回の「コロナ禍」の後ですが、もしかすればアダルトが儲かるという話がクローズアップされてくるかも知れません。

ちょっと見ていただきたい。

『アダルト産業は日本ではコンビニよりも5兆円も多い7.7兆円の市場規模をもっています。
これは可能性の大きさも占めており、大手アダルトメディアと提携したCAPCOINの可能性は底が知れません!』
『「性」はいつの時代も強力で、今では50兆円もの市場だそうです。ネット回線がより早くなったり、VRなどの技術的なものがあるのかなと思います。』

この二つの情報は最近のものです。

アダルトコンテンツは儲かるという「噂」は我々が学生の頃からありました。経済が悪くないときは皆、「へえ~~」と言う程度で聞き流すのですが、バブル崩壊後の不景気の時はつとめていた職場での雑談でも熱を込めた話で盛り上がっていました。

「50兆円」とはあまりに大きすぎる。トヨタでさえ2019年の売上高が「30兆2257億円」ですよ。「50兆円」などあり得ない。

これと同じことが「クールジャパンとオタク産業の真実」でも書きましたが、アニメやオタク産業にも数桁も違う凄い数字が信じられていましたし、広まっていました。

あり得ないのですが、そういうあり得ない程の「噂」が逆に信じられている気がします。



これと関係して、ちょっと気になる事件がありました。
少し詳しく書きますので長くなります。

2020年07月17日のネットニュースなのですが、いま探すと記事の殆どが削除されていました。理由は分かりません。

note記事の「オタクについて語ってみると」の追記で、「京アニ放火殺人事件」のことについて書きました。報道の第一報があって急遽付け足したものですが犯人のプロファイルが当たっていたことからそのままにしてあります。

下記にあるようなことが今後おこってくるのではないかと危惧していました。


『大手出版社の講談社に対しツイッターで無差別殺人を予告したとして、44歳の男が警視庁に逮捕されました。男は、「小説が審査で落とされ納得がいかなった」と供述しています。
 逮捕されたのは沖縄県読谷村の職業不詳・下地寛之容疑者(44)です。下地容疑者は今年5月、自身のツイッターで講談社に対し「牛刀でめった刺しにしながら編集長のところに行って殺してやる。編集部の全員を刺し殺して万歳だ!」などと複数回投稿し、業務を妨害した疑いがもたれています。
 下地容疑者は、「小説を応募したが毎回1次審査で落とされ納得できなかった」と容疑を認めているということです。下地容疑者は、実際に講談社に小説を応募していましたが、いずれも落選していたということで、講談社は「恐怖を感じた。京都アニメーションの事件を模倣したのかどうか捜査してほしい」とコメントしています。』


この背景にもあり得ない「噂」の力が潜んでいるのではないかと考えており、「コロナ」後の「噂」は作家儲かるが現れてくるのではないかと感じています。

タレントさんが出した本が大ヒットし印税が何億円とか、何時までもテレビ番組などで取り上げられ続けていることが一つの理由としてあると思います。これは我々が子供だった頃からあり、いまや迷信並みに強固な「噂」となっています。

30年以上も前になりますか、ある女性のエッセイ作家が後書きで書いておられましたが、デビューして初めて自分の本が書店に並ぶと突然お母様がたずねてきて、一戸建てやマンションなどのパンフレットを沢山もってきて家を買えと言われたそうです。

この方のデビュー作がどれだけ売れたのかは分かりませんが、とてもそんなことができるほど売れていなかったと思います。あまりの話に呆れて印税のことや収入のことについて教えると驚いて帰っていったそうなんですが、この方のお母様は作家イコール億万長者という「噂」を信じていて、現実の作家の収入を知って驚いた訳です。

この「噂」ずっと昔、自分たちが子供の頃からありますし10年近く前ですが、友人からもいわれたことがあります。この時、まるで「迷信」のような感じを受けました。

友人はちょうど失業しており、こういうときはこの「噂」は凄い力を持っていると感じました。何度もこの話をしてくるので、辟易させられました。こういう「噂」は経済状況が悪くなると動かしがたいほど強い力で信じられていきます。


友人に関しては何度も詳しく説明しました。印税というものは出版社と作家の印税契約できまり、それも力関係で変わってきます。一律10%ではありません。

印税契約のことは知っていますがこういう人達のいう印税というのは100万部をこえるような大ベストセラー作品のことをいっているのであって、全ての出版物がこれに当てはまると思い込んでいるのです。

これが出版のことを知らない人達の常識です。

小説はいくら売れても何百万部止まりですが、漫画、コミックスは億部という信じられない部数を売り上げている作品もあります。同じ作家でも、漫画家とは勝負にさえなっていません。

これらを説明すると一応、納得して帰って行きましたが、その後またあった時に同じ話を蒸し返してきてテレビのコメンテーターとして出演している作家はこんな生活をしているといった話をしてきます。こういう作家さんはテレビ出演と公演などで稼いでいて印税では稼げていないと説明しました。

しばらくあっていませんが、またあうと同じ話が出てくるのではないかとさえ思っています。それくらいこの「作家儲かる」の「噂」は動かしがたいほど強いのです。

「京アニ事件」の青葉容疑者のことが分かってきましたが、パクられたという作品は京都アニメーションの「ツルネ―風舞高校弓道部―」でした。
ある程度予想していましたが、これも自分が予想していたとおりでした。


以下はネットニュースよりの引用です。

『青葉容疑者は、犯行当時から調べに対し「京アニに自分の作品を盗用された」と主張しており、“盗用作品”として京アニが制作した複数の作品の名を挙げているという。そのうちのひとつが「ツルネ―風舞高校弓道部―」だ。
「『ツルネ』は京アニが公募する『京都アニメーション大賞』で審査員特別賞を受賞した原作小説(2016年刊)をもとにアニメ化された、弓道部を舞台にした青春群像劇です。2018年10月から2019年の1月までNHKで深夜に放送されていました。中学時代に“早気(スランプ)”に陥り、一度は弓道をやめてしまった主人公が、高校の仲間たちと共に再び弓を持ち、県大会優勝を目指すという物語です」(アニメ誌ライター)

京アニ側も「似る余地はなかった」と盗作を否定

 京都府警関係者が語る。

「過去に青葉容疑者が『京都アニメーション大賞』に小説を応募していたことは事実だが、形式的な不備があったために、京アニ関係者が目にすることなく落選している。青葉容疑者が応募したとみられる作品は“学園モノ”ではあるが、弓道とは関係のない内容で、京アニ側も『似る余地はなかった』と盗作を否定。しかし青葉容疑者は “あるシーン”が自作を盗用したものであると繰り返し供述している」
 この府警関係者によると、その“あるシーン”は2018年11月19日に放送された「ツルネ」第5話の作中にあるという。
“何の変哲もない高校生の1日”を盗用だと主張
「『ツルネ』第5話が放送されたのは午前0時10分から午前0時35分。当時、青葉容疑者は放送中に《すげえ ツルネでもパクってやがる ここまでのクズども見たことねえ つくづく、相容れない》と匿名掲示板に書き込んでいる。作品を検証したところ、取り調べで青葉容疑者が『盗用だ』と主張する当該シーンも確認できた」(同前)
 第5話では、弓道部員らの合宿中のある1日が描かれている。男子部員らが弓道の道具の手入れをし、スーパーへの買い出しをした後、部員同士で入浴したりBBQなどに興じる。府警関係者が語る。
「多くの高校生が経験するような何の変哲もない1日を描いている。だが、青葉容疑者が取り調べで『盗用された』と主張しているのが、この第5話で、男子部員が買い出しなどの雑務をするシーンなんです。。交わされた会話などが青葉容疑者の小説の内容に似ている、といったことでもない。青葉容疑者が何をもって『盗用された』と感じたのか、首を捻る捜査員も多い。府警は青葉容疑者が一方的に恨みを募らせた可能性が高いとみている」』


「オタクについて語ってみると」でも書いているのですが、この先同じような事件があるのではないかと危惧していました。それはこの「噂」を信じ込んでいる人達がとても多いことと、「迷信」のように強いからです。

事件にはなっていなくても、水面下には幾人もいると想像できます。

こういう人物は自分が書いたものは入賞すると思い込んでおり、それ以上に作家イコール億万長者という「噂」を信じ込んでいます。まったくの妄想なのですが、こういう人物はけっこういますし、ほんとうの作家の生活を教えても信じようとしません。

ましてや「アニメ」に関しては何度も指摘していますが、アニメーターのようなポジションにいる人間でさえあり得ない大きな市場だと信じています。
アニメ化という妄想も加わっていますから、これは今なお現実を理解しない「青葉容疑者」であってもおかしくありません。

サークル活動していたとき「アニメ学園」の生徒やアニメーターとも付き合いがありましたが、一攫千金を夢見ているものがどれほど多いか。

アニメはこういう誇大な妄想を育てるような土壌があります。

ネットで原作募集のようなこともやっていますので、これも悪い。投稿のハードルが下がることで妄想を持つ人間が集まりやすくなっています。

「作家儲かる」と「アニメ儲かる」の二つの「噂」が合体してより強固な「協同幻想」を形成しています。



経済が悪くなってくるとこの共同幻想が妄想へと育って行くのです。
貧困から抜けだそうとこういう妄想が強くなってくるからです。こういう妄想にすがって生きている人は実際にいます。

最後に「青葉容疑者」ですが本来ならば死んでいるような様態を懸命な治療で命をながらえました。いまは精神鑑定を受けているようです。ですが罪を免れることはないでしょう。正常な判断はできると診断されると思います。

ここまで酷くはありませんが、妄想的なものを持つ人々はかなりの数います。

ドラマや映画で描かれるような、一目で分かる人は少ないものです。また、誰もが多かれ少なかれ「噂」や「期待」という形で持っている場合が多く正常の範囲です。


それが生活に追い詰められたりでとんでもない妄想へと育ってゆくと考えた方が良いでしょう。自分も過去に三人ほど、こういう人間と接したことがあります。一人は自分がいない間に家に入り込み籠城に近いことをやらかしました。こういう人間のいやなところは助けてあげるようなことをするとかえって妄想に巻き込まれることです。

この手のタイプの人間には近付かないことが大切です。

三人とも病理と言えるところまで行きましたが、やはりもともとの性格特性と周囲の人間との関係性が原因でした。


参考までに経験則も含めて「期待」や「噂」を「妄想」へと育ててしまう人間について、少しふれておきます。

総じてですが何かすれば、例えば「アニメーター」になれば「楽器が弾ければ」というように何かすれば一発当てられるというような強い「期待」や「夢」を持っています。

簡単に言えばこれをすれば「夢」が実現するというような安易な「期待」を持っています。夢を実現するための過程が抜け落ちていて、たえずうまい話を探しているような側面がありました。言い方を変えると結果だけが欲しい人々でもあります。

その裏には自分は優れた人間なのにそれに見合った生活をしていないといった自意識過剰からくる「妬み」の感情が潜んでいます。

専門学校にいくや、株に手を出す、YouTubeをやってみるなどいろいろなことに手を出します。そこにいたる過程が抜け落ちているので、なにをやってもものにならないのです。

ですから自ら不幸へと落ちていくことが多く、それ故に「夢」が「妄想」にかわり、実現できないことによる「妬み」と「嫉妬」から身勝手な逆恨みが発生します。

これが攻撃性の原点でもあり、この悪い循環ができあがるとさらに成功を遠ざける結果をまねき逃げ場を失うとこになります。この悪循環はなかなか修正できません。

それは社会の経済システムがこういう人間を育てるからです。

「夢」を叶えるのはほんとうに大変ですし、実現できなことの方がはるかに多い。ですがその「夢」を食い物にする経済ステムが多数できあがっているからです。

話が少し横道にそれましたがまた何かありましたら記事にしたいと思います。


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