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exile3972
ある日の本屋
普段は仕事をしているので、
平日の午前にスーパーに行くことはない。
久しぶりに行ったら
えらく駐車場が混んでいて
少し遠いところに車をとめた。
本屋に行かねばならないのだ。
イベントの景品で図書カードを買う必要がある。
他車の間をすり抜けて
建物の入り口に向かう。
本屋はスーパーの2階にあるので
自動ドアを抜け、たんたんと階段を上がる。
ガラスのドアを押し開けた右手が目的地だ。
ちょうどレジ前に店員がいたので
「図書カードを買いたいのですが」と
声をかけた。
店員の言う通りに支払いをし、
外熨斗に書く社名を教えた。
夕方また取りに来てもよかったのだが
10分ほどでできると言うので
待つことにした。
待っている間、文庫本のコーナーを見る。
何か読みたい本はないかな。
彬子様の本が気になったが
ネットで買うかと思って少し立ち読みをする。
周囲を見ると
驚くほどに年配の客ばかりである。
面白いことにみんなバラバラの場所にいて
上手く距離が取れている。
同じ年代の人でも興味を持つことは違うのだな。
若い人はネットで本読むもんな。
そもそも若い人はこの時間に本屋に来ないか。
それでも結構な数の客がいるというのも
不思議なものだと思う。
みんな今日休みなんかな。
年金生活で毎日時間があるのかな。
羨ましいな。
文庫本に惹かれるものがなかったので
料理本コーナーに行く。
最近興味のあるスパイスカレーの本を見ていると
店員が来て、頼んでいた図書カードを渡してくれた。
久しぶりに本屋に寄って
なんだかもっといろんな本が見たくなっていたので
少し残念な気分のまま
図書カードをもらって本屋をあとにする。
またゆっくり来ようかな。
そんなことを思った秋の日。
ウチの街の書店は
私の知る限りあと5店舗である。
(結構あるのかな)
(了)