「総理の夫」とは、どんな存在なのか?
ファーストレディという考えが、古いんじゃないかという考えが不遜なのでしょうか。
それまで、いち議員や大臣だった人の配偶者や子どもって、一般国民と扱いが違ってくるの?というのが、素朴な疑問です。
日本の総理大臣は国民の親だ!とは思いませんが、自分の奥さん子どもにがボディガード厳重で、いわゆる庶民は外国で人質になっても見捨てるような国だと日本のことを思ってはいないんですね、私は。
連立政権を組んで立った日本初の女性総理大臣は、43歳。夫と仲が良く、家庭は穏やかで、仕事をする能力は高く、決して偉ぶることはない。
夫が主役というより、夫が奥さんという主人公を語る映画という感じです。
総理が穏やかなのに、秘書の女性はえらくつっけんどんだなあという印象で、それがコメディタッチではありますが、いうほどコメディか?という感じがしました。
財源確保のため、消費税や法人税増税を掲げる首相と与党内の意見が割れ、内閣不信任案を提出される前に、解散総選挙に打って出るという極めて現実的な社会派ドラマではないのかなという気がしました。
また、酒井美紀さんが総理の役にぴったりはまって落ち着いているんですよね。
ちなみに田中圭さんが演じる夫は鳥類学者なんですが、それもまた似合っているんですね。
解散総選挙の最中に妊娠が発覚して、第二次内閣が発足してすぐ切迫流産の危険にさらされてしまいます。
内閣法では総理代行を置けるから大丈夫と強がって見せますが、実際に倒れると、休養を受け入れることができません。
子どもの命がかかっているのですが、うわごとのようにマニフェストの実行を呟き、仕事から離れることができません。
悩んだ末に辞職を決断します。
私だったら、1週間入院と言われても少し休めてラッキーと思っちゃいますね。
やっぱり家庭を持つ人は責任感が違うんでしょうか。それとも、総理になるような人だから、特別なのか。
家庭と仕事の両立に悩むというのも、ある意味では贅沢な人生だなと思いました。
夫に恵まれ、高齢でも子宝に恵まれ、総理にまでなり、ここで終わるなんて悔しいと思えるのは、何だか次元が違いますね。なれたら、満足しろとは思いませんが、議員人生というか、一人の人間としての人生が終わるわけではないでしょう。