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【金曜日】俳句、詩、創作物

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小説以外の創作物。主に詩など。
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2022年3月の記事一覧

俳句10句よんでみた part.21

俳句10句よんでみた part.21

1日に何句よんでも足りないこともあれば、考えても形にならないまま10日以上過ぎることもあります。
やろうと思うことをやらないのは、義務を放棄する以上に気持ちを苦くします。
すごくもったいない日々の過ごし方をしています。

2022.03.10

啄まる木瓜の蕾の血の如し

膨らみの赤くまあるい木瓜の花

憎し春ソースディッシュにナイフ立て

水仙の夢見るたびに咲く庭や

2022.03.13

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俳句10句よんでみた part.20

俳句10句よんでみた part.20

今までで一番上手くいかなかった!

2022.03.04

五分梅の季節待てずに綻びぬ

猫の嗅ぐ梅の花の香華やかに

白梅に停まるヒヨの姦しく

名も知らぬ鳥の行き交う梅の枝

耳痛し朝から小鳥に起こされた

扉開く猫の現れ小鳥鳴く

障子戸に映る猫影小鳥来る

空き瓶に春のゆらめき何を生く

梅一枝挿された瓶を掲げ見る

口元の綻ぶ猫や春来る

短歌|三田三郎

絶望の作法番号で呼ばれたければ刑務所より市役所の方が手っ取り早い

いつの間にか十二指腸に憂鬱が棲みついてまだ成長している

自らの尻を叩けば励ましつつ励まされつつ体は進む

この道は駐車場にしか繋がっていないから花も咲かなくていい

失礼ですが、と切り出したなら本当に失礼なことを言ってください

空き瓶を洗って部屋の隅に置く それは墓標の予約でもある

ぬいぐるみは絶望しないがぬいぐるみと一緒に

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俳句|山岸由佳

俳句|山岸由佳

氷上氷上の晴れて人々しづかな息

金網に冬の音あり海のあり

ストーブや文字の輝き欅にも

雪止みし水面に映る赤ん坊

蜜柑置く小さな夜のはじまりに

荷を下ろす正午の鐘や春遠からじ

首ながき鳥の歩める春の霜