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コーチのためのスポーツ心理学番外編②ビジョンキラーテスト

ビジョンキラーテスト

前回のnoteでは、リーダーシップにおいて非常に重要となるビジョンスキルについてまとめました。

前回のnoteでは、主にコーチとしてのビジョンを構築する方法や注意点についてまとめていますが、それらのビジョンを構築していくことで変容するコーチの行動というのは、選手のビジョン構築にも影響を与えます。

そこで、今回のnoteでは、そのような選手のビジョン構築に影響を与えるコーチの行動を振り返るためのビジョン・キラーテスト(Lynn, 2002)というものを私自身が実施しながら紹介し、内容をまとめていければと思います。

How to Check

10個のビジョンキラーに関連する項目について自己評価を行う
(決してしない1ーーーーーーーー10いつもする)。

点数の低かったワースト3を振り返る。

点数が低かった理由を考え、これらの領域でリーダーシップ行動を強化する方法を見つける。

自己評価と自己反省を通じて、最善を尽くしているにもかかわらず、ビジョン・キラーになる可能性があることを常に意識することが重要。

以下、質問項目

①気遣いを示さない、感謝の言葉を忘れる、敬意を払わない、大切にしていると感じさせないなど、選手にひどい仕打ちをすること。

②良い手本を示さず、"私の言うとおりにし、私のするなということはするな "という。

③一度に多くのものに集中させる

④任務に邁進するあまり、選手という人間を忘れてしまう。

⑤明確な方向性を示さない

⑥一貫性のない指示を出す

⑦失敗の責任を負わない

⑧細部に集中し、"なぜ "や全体像を語ることを忘れる。

⑨ビジョンに対する個人的なコミットメントが1つもないか、まったくない。

⑩一人または数人の選手が、努力不足、パフォーマンス不足、あなたやチームメイトに対する否定的な態度によって、ビジョンを妨害することを許す。

ビジョンキラーテスト

私のビジョンキラー

たった10個の質問ですが、詳細なスコアは少しおいておいて

私のビジョンキラーは

⑩一人または数人の選手が、努力不足、パフォーマンス不足、あなたやチームメイトに対する否定的な態度によって、ビジョンを妨害することを許す。

③一度に多くのものに集中させる

④任務に邁進するあまり、選手という人間を忘れてしまう。

の順番でした。

理由を考え、強化方針を計画してみる

これの理由は単純だと自分では考えています。

個人としてはそういったことをチームとして抱えることもチームマネジメントには当然のことだと考えているからです。

個人的にはそういった姿勢や態度を示すということは、ある種、従順にコーチの意見に従う選手よりもエネルギーがいることだと思うので、それだけ何かその選手の中で思うところや考えているところがあると私自身は考えています。

むしろ、コーチの思い描くプロセスにある種、従順なように見える状態は、コーチにとって心地良い状態かもしれませんが、その心地良さを冷静に違う角度から振り返ってみることも時には重要かもしれません。

なので、こちらからその選手をレールに戻そうとするよりは、チームとしての共通のゴールは共有しておきながら具体的なプロセスなどに関しては、自分自身でも明確なものを持ちつつ、選手の中にある確かに存在するけどぼんやりしているプロセスを少しでも明確にできるようなサポートと、そのプロセスを受容できるようなコーチングを行いたいなと思います。

また、そのような姿勢や態度をとる選手とコーチ間のやりとりはそれでもいいと思いますが、チーム活動を行う以上、コーチの思い描く目標へのプロセスと同じプロセスを描く選手への配慮も大切になるかと思います。

コーチ以前に1人の人間として同じ意見を持ってくれる選手への信頼感などが高まることは自然なことだとは思いますが、そういったことなどをなるべくフラットにそれぞれの選手とコミュニケーションをとっていくことも大切にしたいなと思います(これは④の項目にも繋がりますね)。

これも僕が結構やりがちなこと

最近は少なくなりましたが、自分が知っている知識なり情報を聞かれたり、その知識や情報で対処できそうなことに遭遇すると

聞かれていること以上の深掘りをしてしまったり、聞かれてもいないのに知識を披露しているようになってしまうということを初めてのコーチングではやっていたなと思います。

絶対にダメなこと。というようなものでもないと思いますが、やはり、選手が必要としている情報や知識を必要なタイミングで適切な量、適切な形でフィードバックできるというのは、コーチとして大切なことだと思います。

もちろん、そのためには知識の総量は絶対に必要となり、コーチとして学び、知識に幅と深さを持たせることは大切ですが、それだけでOKというものでもないですね。

これに対する強化方針は「待つ」スキルを身につけるということ。そして、そもそもコーチと選手が質問などを中心としたコミュニケーションを行いやすくする環境を構築しておくことだと思います。

これは前回紹介しているような明確なビジョンが構築され、選手にも明確に意図が伝わっているのであれば、ある程度、コミュニケーションはとりやすくなるのではないでしょうか。

頭ではわかっているものの、「待つ」ということは想像しているよりも難しいことです。

具体的にどのようなトレーニングで待つスキルを向上させていけるかは明確には自分自身も理解できれいませんが、現段階では、自身が内省を行う時間を設けるというのがベストかなと思っています。

日記などをつける感覚にも近いですが、日々の活動記録などをまとめておくような時間を設けることで、内省の時間を作ることができるのではないかと思っています。

これの項目に関しては、選手をしっかり1人1人としてみることができているかということだと思います。

もちろん、その重要性はわかりますが、チームとして活動し、大会やイベント毎などが経過していく中で、年々、自分の中でも薄れてしまっているようなイメージがあります。

この事象の原因としては、チームとして達成したいビジョンの中心に「結果」があるからだと考えています。

遠い昔(もう5年前?)にこれに関するnoteをアップしていました。

この内容にあるような「理念」を持ってビジョンを構築しているかということが強化方針になるのかもしれません。

僕自身も今思い描いている「理念」があるので、それを念頭におきながらビジョンを構築し、それに沿って、選手1人1人をみれるように意識したいと思います。

僕の現在、思い描いている「理念」に関しては、また後日

おわりに

簡単にはなりますが、僕がビジョンキラーテストを実施してみて、その結果の理由と強化方針を計画(できているかはわかりませんが)してみました。

結論としては

・選手個人個人をフラットに観察しながらコミュニケーションを取ること
・コーチ自身が選手とのコミュニケーションや自身の行動に関しての内省を行う

が重要かなと感じました。

また、これらに加えて、コーチ自身がメンターや自身のコーチングや行動に対してフィードバックを受けることができるような環境を構築しておければより良いコーチングに繋がるのではないかと思います。

もちろん、そのようなフィードバックの多くは、コーチにとってポジティブなものだけではないと思いますが、現状に満足せず常に進歩することを望むのであれば、ある種、コーチにとってネガティブなこともしっかりと受け入れ、自身の行動を常にステップアップしていく姿勢を持ち続けることが改めて重要だなと思います。

結局行き着くのは毎度お馴染みのこのシンプルなことですが、それがわかっていても難しいですね。

自分自身もステップアップしていけるように今回まとめたようなことを意識して行動に変容していければと思います。

よければ皆さんもビジョンキラーテストから自身のコーチングを振り返ってみてください!

↓参考文献はこちら↓

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