部活を引退した
6年間続けた部活を今日、引退した。
12歳の中学一年生の頃、何気なくふらっと入った部活が学校で1、2を争う厳しさだったことを知ったのは中一の夏だった。その頃の高三の先輩はあまりにも怖くて、毎日家から駅まで泣いて学校に向かってた。何で怒られるだけやのに行かなあかんねやろ、怒られにわざわざ1時間かけて学校行きたくない、ずーっとそう思いながら、でも駅までに泣き止んで友達には笑顔でいようとしてた。
『部活を辞めます』
この言葉を顧問や先輩に言うのも怖くて、中学は3年間続けた。中二の大会で大きな失敗をしてみんなで泣いた。中二までは、キリがいいし言い出しやすいから中三で絶対に辞めるなんて思ってたけど、周りがどんどん辞めていく中、自分はなんだか部活に愛着が湧いてきて知らない間に春休みすぎて高校生になってた。
高校生になってすごく上手な先輩と同じチームになって、初めは補欠になった。まあそんなに上手くないし、小さい頃からやってる経験者とは違うからそんなに気にしてなかった。けどそれについてすごく文句を言ってる子もいて、文句がエスカレートして悪口をSNSに書き出す子も出てきた。初めはなにアホなことしてるんやろ、って思ってた。
だけど中一から一緒に部活に行ってた大好きな友達がそこに参加するようになって、悲しくなって初めてその子の前で泣いた。話したくなくなって電車も違うのに乗ってたのに、たまたまその子が同じ車両に乗ってきて、顔を見たら涙が溢れた。『何で泣いてんの…?』そう彼女は尋ねてきたけど、何で私が悲しんでるかわからない彼女になんだか腹が立って怒って、普通電車で女子高生2人、泣きながら最寄りまで帰った。どうしてだかわからないけどその日は駅にお互いの親が迎えにきてて、2人してお母さんに抱きついて赤ちゃんみたいにわんわん泣いた。
高二、悪口をSNSに書いていた子は部活を辞めた。中学の時部長だった子も、副部長だった子も辞めた。残ったのは、私と電車で泣いた友達、あと中一から一緒に怒られまくった3人。それに加えて高校から始めた2人。新しい仲間が増えて楽しくて仕方がなかった。
高三になって高校から始めた2人と意見が食い違って、揉めて傷つけたし傷ついた。その度にお互いの心に絆創膏を貼った。
6年間で社会も変わり、部活の形も大きく変わった。後輩に注意するとパワハラ、集団リンチとも言われたし、親が出てきたことだってある。コロナで声は出せないし、私が泣き虫だったあの頃からは考えられないくらい練習時間も減った。
あと、思っていたより"注意すること"は体力を使う事を覚えた。6つも下の女の子にどうやって注意をすればいいのかわからなかった。私の先輩もそう言う気持ちで私を注意してくれてたのかな。
中一、中二の時は、怖くて辞められなかった。中三の時はもっと頑張りたくなった。高一の時は周りについて行くのに必死で頑張るしかなかった。高二の時は毎日楽しくて辞めることなんか考えてなかった。高三の時は辞めるなんか選択肢になかった。
理由はどうであれ、続けることで得られることはたくさんあった。
辞めなかったから、甲子園球場にも京セラドームにも幕張メッセにも立つことができた。色々な人との出会いがあった。楽しいこと嬉しいことだけでなく悔しいこと辛いことしんどい事も倍以上あったと思う。それは続けたから。辞めなかったから。
最近は自分にあってないものは続けなくていい、辛いなら辞めていい。そう言う風潮が強い傾向だと思う。だけど私は続けることの意味を知った。
これから何かをずっと続けることはないかもしれない。でもこの経験を人生の糧にして、これからも進んで行きたい。
2021.12.20