私が理科教員になってから(9)〜爆弾投下!若手の連鎖退職を阻止せよ!〜
はじめに
大学に6年間通った後、高校の理科の教員として就職はできた。
しかし、正直な話、この10何年の私の教員生活は波乱万丈の繰り返し。
情けないくらいの失敗・挫折・苦い経験をどれだけ繰り返してきたことか。
その中でも学んだこと・成長・喜びもあった。
このシリーズでは、カミングアウトできる範囲で私の遍歴を長々とダラダラと、気ままに綴っていこうと思う。
ただ、どちらかというと苦い経験を綴る方が多くなるかもしれない。
振り返るのがどうしてもしんどくて綴りたくないテーマもある。
ただ、これから教員を志す人や、教育にご関心のある方にとっては「こういう現実があるんだ〜」「こんなふうになっていけない」と思いながらご笑覧いただけるだけでもありがたいです。
若手教員退職の連鎖
某中高一貫校の専任教諭になって5年目
この年は休職から復職の年でもあった。
私を含め、この5年間では合計15名の先生が着任された。
5年目のある日のこと。
私より1年遅れて着任された同じ教科の先生が退職されるという話を聞いた。
これ以前に彼からもいろいろ話を聞いたが、常勤講師から専任教員になれる時期についてうやむやにされていたとか。
また、彼の同期や若手の教員も同じような状況になっていたらしい。
その退職の話があってからしばらくして、この先生は病休され、そのまま退職してしまった。
これだけではない。
以前も私の同期や、私より後に着任された数名の先生が理不尽な形で辞めざるを得なかったということもあった。
また、この中でも若手教員が複数名、体調不良で長期間休むといった事態も起こっていた。
爆弾投下
結局私が5年目の終わりを迎えた時に、この5年間で新たに着任された先生のうち、15名中7名が退職されたことになっていた。
もはや見て見ぬ振りしているわけにはいかなかった。
昔の私のような悲惨な目に合わせてはいけない。
あの当時、私もこの職場を辞めるつもりでいたこともあり、6年目初頭の職員研修終了後にありったけの思いを全教員の前でぶちまけた。
私の覚えている限りではあるが、その時に言ったのはこんなことだった。
(決して怒鳴り散らさず、覚悟をもって冷静にね^^;)
波紋
正直なところ、後のことはどうでもよかった。
本来であればこのような話は、労働組合と理事会という関係で行わなければならないものだと思う。
しかし、この学校には労働組合がなかった。
ただ、拭いようのない事実として見過ごさせないため、職員の皆様に当事者意識をもっていただくため、パワハラ&職場イジメを止めるためには、あえて暴挙に出ざるをえなかった。
ある程度は驚き、賛否両論あるだろうなと思っていたが、予想以上の反応だった。
研修から解散直後、ある先生が私に「また話そう」と真っ先に声をかけてくれた。
「県外の人だからじゃないかな?」と意見してくれた。
「愛知県人会を開いて飲もう」と誘ってくれた。
絶賛された。
「あれはいかんぞ」と注意された。
(その後に「よく言った」というお言葉をいただいたこともあった)睨まれた。
私の顔を見るなりドン引きして遠ざかった。
腫れ物に触れるような顔つきをされた。
「(抗うつ)薬が効き過ぎたんじゃないか?」と言われたりもした。
後日、校長室に呼ばれて校長と面談。
まずは「先生の発言で波紋が広がっているじゃない」というお叱りの一言。
管理職をもってしても、この事態に収拾がつけられなかったようで。
退職された先生のご事情を校長から聞いたものの、私が彼ら本人から聞いたこととくい違いが多くあった。
そのあたりのことも問い質した。
私が味わった苦い経験や、あの発言の後に私が直接受けた反応についても話した。
この時、校長は私が若手の相次ぐ退職に胸を痛めていたと解釈されていたようで。
議論を重ね、私から職場改善について検討すべきと言ったところ、校長より「職員研修をやろう」と仰せになった。
(本当はこの時弁護士を学校に招き、常勤講師の先生の早期の専任化を要望しておけばよかったと激しく後悔している)
私がこの学校に赴任して6年目の夏休み、職場改善について皆一同に語り合うため、職員研修が行われた。
校長いわく「あなたのために研修を行うのよ」「あなたのあの日の発言がすごく気になってたのよ」とのことで。
ところが「職員間でレクリエーションをやろう」という結論で終わってしまった。
私なりにいろいろ後悔するところばかり積み重なったが、もう諦めがついた。
そして7年目で私はこの学校を退職した。
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