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私が理科教員になってから(8)〜復職した年の私〜
はじめに
大学に6年間通った後、高校の理科の教員として就職はできた。
しかし、正直な話、この10何年の私の教員生活は波乱万丈の繰り返し。
情けないくらいの失敗・挫折・苦い経験をどれだけ繰り返してきたことか。
その中でも学んだこと・成長・喜びもあった。
このシリーズでは、カミングアウトできる範囲で私の遍歴を長々とダラダラと、気ままに綴っていこうと思う。
ただ、どちらかというと苦い経験を綴る方が多くなるかもしれない。
振り返るのがどうしてもしんどくて綴りたくないテーマもある。
ただ、これから教員を志す人や、教育にご関心のある方にとっては「こういう現実があるんだ〜」「こんなふうになっていけない」と思いながらご笑覧いただけるだけでもありがたいです。
休職中の暮らし
休職中は地元の名古屋に帰っていた。
不謹慎だけど、ようやく解放されたという気分だった。
あの1ヶ月はどう暮らしていたかはあまり覚えていない。
ただ、ネットサーフィン・ピアノ演奏・化学の問題集を解くことなどで1日をダラダラ送っていた。
ただ、問題集を解くのは仕事じゃないか?というご指摘もいただいたが、暇つぶしになってはいた(笑)
復職時の学校での過ごし方
そして職場に戻った。
この年は学年を外れた。
ソフトボール部に移ったが、必ずしも顔を出す必要はなくなった。
校務分掌としては時間割作成を引き続き担当。
そして新たに放送委員会顧問を担当。
部活の負担が減った分、授業に力を入れられた。
とはいえ、授業の準備に時間をかけすぎて、結局1日の中で職員室を出るのは一番最後になることが多かった。
あまり根詰めすぎないようにというご指摘をいただいたが、授業だけは納得いくまで準備ができている状態にしたいという思いはあった。
拭えなかった不信感
この年は、いろいろな先生から何かしらで声をかけられたりはした。
たまに体調について聞かれることもあった。
思いっきり気を遣ってくれているのはわかってはいた。
受け止めるふりはしていた。
しかし、裏で何を考えてるんだろうという思いがあったので、素直に受け止められなかった。
ひねくれていた。
人間不信&職場不信になっていた。
心許せる数人は除いて、もう他の職員とはあまり喋りたくなかった。
放っておいてほしいというのが本音だった。
そうした話をもう聞きたくなかったので、この年は職員室の席を空け、理科準備室で一人こもることが多かった。
生徒との関係
職員室の雰囲気とは逆に、生徒と向かい合って授業をしているのが何よりの心の拠り所だった。
この年は高1の化学基礎・高3文系の化学基礎・高3理系の化学を担当。
特に高3の理系クラスでは、毎回の授業の冒頭ではとある生徒からしょうもない質問が必ず1回はされるのがお約束。
これは、この子達が高2の1月の授業からずっと続いている。
それでいろいろしょうもないやりとりが続いたが、ある意味で癒やしにもなったりした(笑)
生徒も生徒で授業の本題そっちのけで楽しんでいることもあったり(笑)
高3は受験対策演習ということで、受験対策の問題集を予め生徒に解いてもらい、私が解説するという授業形式だった。
演習授業は淡々としがちなものの、しょうもない質問などで生徒たちが勝手に盛り上がったこともあり、お互いに楽しく進められた。
他のクラスの授業も楽しくいい雰囲気でできた。
時には質問の応酬戦になったりもした。
時には個別に質問されて私の休み時間がなくなり、ノンストップで次の授業をしたなんてこともしばしば。
そのおかげもあってか、どのクラスとも1年間楽しい雰囲気で授業ができた。
余談になるが、このときに担当した高3の生徒は、以前の記事にあるように、中学2年の時に授業を担当した。
その頃の私の授業はひどいもので、彼女たちが高校生になって授業を担当するまでは顔を合わせたくないくらいの気持ちでいた。
その間、彼女たちなりにいろいろな経験や思いをしたんだろうけど、時を経てここまで信頼関係ができるとは思いもよらなかった。
バースデープレゼントまでいただいたり、卒業式で一緒に写真を撮ろうと言われたのは本当に嬉しかった。
何年経っても印象に残っている。
この年は職員室ではしんどかったものの、生徒に救われたといってもよい。
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