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探究って何だろう?(1)〜私の高校時代の「探究」体験〜

2022年度から新しい学習指導要領に基づく高校教育がスタートし、「総合的な探究の時間」や「理数探究」といった「探究」という名の科目が導入されました。
私の勤務先でも、多くの先生方が「探究活動」をどう進めるか悩みつつ、試行錯誤しながら実践されています。
また、全国各地で高校教師向けの探究に関するセミナーも開催されています。

私自身もこれまでに「探究」の授業実践に関して、様々な情報を取り入れてきました。
しかし、振り返ってみると、実は高校時代にクラブ活動を通して、探究につながることを自然と行っていたのではないかと思います。
「探究」とは「自分が知りたいことを知る」ということを基礎に持ち、どこででも、どんな時でもできる活動ではないでしょうか?

この記事では、教育理論や学習指導要領に基づいた内容ではなく、あくまで私自身の経験をもとに探究についての考えを綴っていきます。
拙い内容ではございますが、ご笑覧いただき、少しでも参考になれば幸いです。


新聞部の活動

私は高校在学中、新聞部に所属しており、毎日のように記事を書いて、年に数回、学校新聞を発行していました。
学校新聞は毎回2〜4ページで、生徒会活動やクラブ活動の報告、意見投稿、コラムなどを掲載し、本格的な新聞の形式で発行していました。
他の高校や大学、ラジオ局などへ取材に行くこともありました。
(今思うと、当時の顧問の先生や取材先の皆様にはご迷惑をおかけしたと反省しています)
この新聞制作のプロセスが、実は今でいう探究活動に通じる部分があるのではないかと思います。

新聞作成の流れ

1.テーマ決め

新聞記事のテーマは、顧問の先生からアドバイスをいただくこともありましたが、基本的には自分が書きたい内容を決めていました。
これは、自分が当時気になっていたことや疑問、知りたいことに基づいていました。

2.新聞のレイアウトと役割分担

学校新聞は歴史と伝統があり、市販の新聞同様のレイアウトを作成することを大切にしていました。
レイアウトが決まると、誰がどの記事を書くかを部員どうしで分担しました。

3.資料調べと取材

記事を書く際には、過去の新聞記事や本などを調べ、予備知識を得ました。また、必要に応じて校内や校外での取材も行い、取材交渉は部員自身で行っていました。
(顧問の先生のサポートもあったかもしれませんが)
失敗して怒られることもありましたが、マナーや礼儀を学ぶ良い経験でした。

4.文章作成

記事はテーマによって、取材内容のみを書くものや、自分の考えを交えたものもありました。
私の高校時代、パソコンが普及していなかったこともあり、手書きで何度も記事を書き直し、顧問の先生にチェックをお願いする作業を繰り返しました。
顧問の先生方には多くの手間をかけましたが、忍耐強くご指導いただいたことに、今でも感謝しています。

5.新聞の印刷・配布

記事や写真が揃ったら、印刷所に依頼して新聞を発行しました。
クラスごとに新聞を仕分けし、生徒や先生に配布しました。
取材先にはお礼状と共に郵送しました。

6.振り返り

新聞発行後、部員全員で集まり反省会を開き、次に活かすべき点について話し合いました。

ウラ話

新聞作成は複数の部員で行いましたが、補習や予定が重なり、全員が集まらず作業が遅れることも多々ありました。
その結果、発行が1ヶ月以上遅れることもありました。
部員全員が「何のために新聞を発行するのか」という共通認識が欠けていたのと、計画性が足りなかったと思います。

高校2年生で副部長になってからも、私は部員の予定を考慮せず、自分勝手に行動してしまい、周囲に迷惑をかけました。
チームで何かに取り組む際には、相手を思いやることが大切だと学びました。

探究活動とのつながり

新聞作成の過程は、今の探究活動のプロセスと重なる部分が多いと感じます。
自分が気になることに対して問いを立て、自ら調べ、行動し、最終的にアウトプットを形にする。
これは新聞作成に限らず、普段の教科の学習や他の活動にも自然と応用できるものです。
この記事をご覧になっている皆様の中でも、実は過去にこうしたプロセスを体験したことはございませんでしょうか?
ひょっとしたら、気づかぬうちに探究活動につながることをされたりしていませんでしょうか?
探究活動とは、何か新しいことを行うのではなく、主体的・対話的で深い学びを促進するために、従来の活動を見直すことではないでしょうか?

今回は私の高校時代の経験を基に探究活動の捉え方について述べましたが、今後は別の視点から探究について綴っていこうと思います。

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