![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39822189/rectangle_large_type_2_fd1f21b5186a40f0ed383a20ae6f8614.jpeg?width=1200)
ローライ35のちびっこいやつ(2) やってきたローライC35
遠い場所から手元にやってきたローライC35。到着した段ボール箱をすぐに開封しました。ようこそ我が家へ。
軽さとシンプルさは、中古カメラ市で触ったときの記憶通りです。レンズはトリオター。現在修理中のローライ35Sはゾナーなので、戻ってきてもきっと使い分けしていけるはずです。
さっそく各部のチェックを行いました。まず目についたのが、革の一部がほんの少し浮いていること。購入する段階では気づいていませんでした。現物を見たうえで出品時の写真を見直してみると、確かに浮いています。スマホの小さな画面だけで確認するのはダメだなと反省です。
でも、ほかのところはパッと試した感じでは問題なさそうでした。レンズの傷などもなさそうだし、沈胴レンズの繰り出し、戻しも大丈夫。スローシャッターも粘りは感じられませんでした。
ローライ35のオリジナル版を使う知人に愛機をお借りして、C35との違いを比べてみることにしました。以下の写真は左がローライ35、右がローライC35です。まずは前面から。
ローライ35は前面に絞りとシャッタースピードを調整するダイアルがありますが、C35はどちらもなし。すっきり(あるいはのっぺり)した前面になっています。レンズの大きさが違うように見えるのは、キャップの違いによるものです。今回比べたローライ35は「はめ込み式」のキャップを使っているためレンズ径とほぼ同じ大きさですが、C35は「かぶせ式」なのでその分キャップが大きくなります。キャップを入れ替えてもどちらにも使うことができたので、実際のレンズ径は同じです。
続いて上から見たところ。
ローライ35には露出計のメーターがあります。右側のC35の上面、右上方にある丸い小窓はフィルムカウンターです。ローライ35はカメラの下面にカウンターが付いていて、いちいちひっくり返さないと確認できません。C35で上部にカウンターを移設したのは大きな改善です。
こちらは下から見たところ。
下部も、C35はシンプルな作りになっています。裏ブタを開けるには、ローライ35ではレバーをスライドさせてロックを解除しますが、C35は真ん中右側にある黒いボタンを押して解除します。フィルムを巻き上げるときに使うレバーも、C35は簡素なものになっています。
そしてこちらがC35の後面。MADE IN GERMANYの刻印が。
ローライC35は生産期間が短く1969年~1971年の2年ほどです。ローライ35シリーズの生産がドイツからシンガポールに移されたのは1973年ですから、C35はその前に生産が終わっています。なので、C35はすべて「ドイツ製」なのです。たまにMADE IN SINGAPOREと刻印されたローライC35がありますが、裏蓋だけ後年のローライ35のものを使っているのか、シンガポール生産に移行した後も修理用としてC35用の裏蓋が作られていたのか…。詳しいところは私にはわかりません。ともあれ、MADE IN GERMANYの刻印は、ローライ35のシリーズのファンにとってはうれしいものです。
さて、ローライ35とローライC35を比べてきましたが、見かけがシンプルにはなっているものの、大きさがほとんど変わらないというのは少し意外でした。重さは結構違うからです。秤で重さを測ってみました。
100グラム強の違いがあります。手に持ってみると、この差は結構大きなものです。ローライC35は、外部だけでなく内部の機構も大幅に簡素化されているといいます。金属製の部品をプラスチックに置き換えているのだそうです。そこが重量の差につながっているのでしょう。これが良いことなのかそうでないのかはわかりませんが、この軽さは魅力です。
バルナックライカのことを調べているときに、ライカのカメラは昔板金で職人が金型を作っていたものが1940年のライカIIIcからダイカストという合金での製造に変わったということを知りましたが、ローライC35では、特に内部でそうした合金からプラスチックへの転換が行われたということですね。そう思うと、カメラを形作る素材の大きな変化の流れが、この小さなボディに込められていることがわかります。興味深いところです。
今回はローライC35とローライ35を比べてみました。ランニングやハイキングに持っていきたいという自分の用途からするとC35の軽さは魅力ですが、ずっしり詰まった質感を持つローライ35(や、長年の自分の愛機であるローライ35S)も私はとても好きです。「どちらの方がよい」とは自分には決められません。
じっくりと触れ、眺めたローライC35。フィルムを入れ、山でテスト撮影するつもりです。
いいなと思ったら応援しよう!
![Sampo(山帆)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25465482/profile_e28dcdfee4ba1901f2eeb8a883aec46b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)