子供の成長~乳がん入院、1週間ぶりの再会♯154
昨日、ようやく退院することができた。
病院の玄関を出た瞬間に吸った空気、見上げた空、その時に感じた心地よさはきっとずっと私の心に残ることだろう。
重い荷物をしばらくは右腕で持つことができないので、病院まで夫に迎えに来てもらった。帰宅後は家で片づけ。全摘手術後は、腕が上がりにくいとは聞いてはいたが、案外動くし、腕を上の方まで上げることができた。(とはいえ、引きつった感覚はある。でもその違和感を「イタ気持ちいい」に置き換えている・・・)少し落ち着いたあと、散歩を兼ねて、近所のガン封じのお寺までお礼参りに行ってきた。入院前、手を合わせ、目を閉じ、心を無にするため、足しげく通ったお寺。これからも治療は続くし、再発のリスクもゼロではない。これからもきっと度々行くことにはなるんだろう。
そして、夕方、1週間ほど会えなかった子供たちとの再会。
幼稚園に下の子を迎えに行くと、園長先生と担任の先生がかけつけてくれた。
「お母さん、本当にがんばったね!○○ちゃん(娘の名前)もがんばってたよ!」と私を抱きしめてくれた。
聞くと、夫が毎日、愛情おにぎりを娘に握って持たせてくれていて
同じ敷地内に小学校がある息子も、休み時間、よく娘のことを心配して会いに来てくれていたのだそう。
「本当に、ご家族みんなでよく頑張ったね」と言ってくださった。
子供たち(特に下の子)のこの1週間での成長が甚だしかった。
下の子は、徒歩1分程度の幼稚園までの道のりでさえ
当たり前のように、私に荷物を持たせ
「だっこー」「自転車がいいー」ととにかく歩きたがらない。
別れ際も、いまだに号泣されることもしばしば。
そんな娘が、なんと、自分で荷物を背負い、
「ママ、手術してない方の腕どっち?」と私の身体を配慮して、手をつなぎ、今日は自分の足で歩いて園に向かった。
そして別れ際も、いつもの泣き顔ではなく、笑顔を見せて、自分から「ばいばい!」と言う。
会えなかった1週間でこんなにもたくましく、変化した娘の成長に、私は嬉しくてたまらなかった。
私も乳がんになったことで、価値観が大きく変わった。
同じように、子供にとっても、母親の乳がんが成長のきっかけになっていたようだ。
悪いことばかりではない。
これからも、がんとは付き合っていかなければならないことだろう。
時に家族の助けを必要とし、迷惑をかけ、悲しい思い、寂しい思いをさせることもあるんだと思う。ただ、それを、家族にとって良い方向に持って行けるように、これからも前向きな気持ちで進んでいきたい。