Minoru Nomata”Continuum”@White Cube Mason’s Yard 野又穫展ロンドンのホワイト・キューブで開催
野又穫さんの新作展『Continuum』がロンドンのホワイトキューブ・ギャラリーのメイフェア店で開催されている。氏にとっては2022年に続きiイギリスでの2度目の展覧会となる。オープニングにあたり、日本から野又氏もロンドン入り、7月9日には観客を相手にトークをイベントが開催された。2023年に東京のオペラ・シティーで同タイトルの展覧会が開催されていえることを踏まえれば、本展はそれをロンドンに持ち込んだ形となるのだろうか。加え2024年作もあるので、新旧作を本展のためにセレクトしているようだ。
トークで野又さんは、独自の創造的な世界を描くことになった背景には、幼いときの体験、銭湯の煙突を見て育ったことや、祖父につれられ東京タワーの建設を見に行ったこと、また’64年東京オリンピックで湧いた建設ブームなどがあると語った。また10代のときに傾倒したSF小説によって触発され、ありえない世界を大人が芸術家することが可能だと気付いたこと、大好きな音楽、イーノの『アナザー・グリーン・ワールド』やアンビエント・ミュージックとの出会いにつても明かした。そして本展のタイトルはジャコ・パストリアスのアルバムに収められていた曲で出会った言葉に由来している、とも。また画家になるまでの歩みとして絵画ではなくデザインの道を選んだ理由や、絵画への転向の経過なども明かした。
ギャラリー内には、大小数十点の作品が展示され、ロンドンのアートファンの目を楽しませた。雨天にもかかわらず、100人程度を収容するギャラリー・スペースを利用したイベントは満席で、在日日本人もかなり足を運んだ。日本では多くの展覧会を開催、アーチストとして確立されているよう。90年代からロンドンのコンテンポラリー界を牽引してきた最強ギャラリー、ジェイ・ジョップリングのホワイト・ギャラリーが彼の作品をこれからどれほど世界的に伝播していってくれるか興味がわく。