苦手なことは克服すべきなのか?
長らく働いた転職エージェントには、毎年大学を卒業したばかりの新卒社員が多く入社する。
配属されて間もない頃は、「どうしてうちの会社に来たの?」ときっかけ作りで聞いてみると、面接でもないのに面接っぽい答えが返ってきたりする。
その中で、たまに耳にするのが「自分の苦手を克服したくて」であった。
エージェントの仕事は、もちろんPCに向かって作業する時間もあるが、メインは法人側の採用担当者や採用責任者にお会いして、求人の内容をヒアリングしたり、またご登録者側の場合は面談にてヒアリングをしたりなど、初めての人に対してそれなりのレベル感でコミュニケーションをとる必要がある仕事である。
そんな中、コミュニケーション下手を克服したい、という理由で入社を決める新卒の子もいるのだ。
何となく理解できるような…
できないような…
もうちょっと繊細に表現してみると、
そう考える人も世の中にはいるのだと理解はしているが、
私はそのような行動に出ない、
ということだ。
出来ないことを出来るようになるのは、そりゃあうれしいだろう。大いに成長した気もするしね。
でも、0を2とか3にする以外にも、
自分が比較的得意な6を8とか9にすることだって成長だと言えると思う。
いきなりクリフトンストレングスのハナシになるのだが、
あの世界観のベースになっているのは、
「短所ではなく長所を伸ばすことにエネルギーを
注いだ方が、人は何倍もの成長を手にすることができる」
というクリフトン博士による発見がある。
きっと私が、かなり金額をかけてまでも認定ストレングスコーチになろうと思ったのは、このベースにある考え方にしっくりきているからだ。
さらに言えば、自分の上位資質No.1が「最上志向」であり、このような思考を私はついついしがちなのである。
ちなみにクリフトンストレングス的に言うと、苦手の定義がまず重要となる。
もし、それがないことで、自分の成功の妨げになっているのであれば苦手としてめでたく認定だ。
そうでなければリリース。
Let it go~ ♪
至らないところがあるのは、誰だってそう。
認めたくないかもしれないが、完璧な人なんてこの世にはいない。
多分、あんなに完璧に見える大谷選手だってそう。(宇宙人でなければのハナシだが)
どこかが欠けているからこそ、誰かに頼ることで協力体制ができあがる。
他の誰かの活躍の場を奪わないことだって、実は大切なことなのかもしれない。