マガジンのカバー画像

ファシリテーターの場を見る視点、スキルを学ぶマガジン

26
ファシリテーター向けに書いた記事をまとめています。 私が普段、対話の場をひらく時に見ている視点、考えていること、スキルアップのためにしていることなどを書いています。 ワークショッ…
運営しているクリエイター

#対話

ファシリテーターとグラフィックレコーダーの協働に勿体無さと可能性を感じている話(後編)

この記事は下記の記事の続きです。 前半では、ファシリテーターとグラフィックレコーダーの人が一緒の現場に入るときにこういうところにもったいなさを感じるというケースについて書いてみました。 この記事では双方がより相乗効果をあげられるようにするために、こんなことを気をつけたら良いのでは?ということを書いてみたいと思います。 ファシリテーターとグラフィックレコーダーの連携のヒント その1.  同業の人との違いを認識し、自分のスタイル、大切にしていることを明確にする。 連携のた

ファシリテーターとグラフィックレコーダーの協働に勿体無さと可能性を感じている話(前編)

ここ数年、グラフィックレコーダー・グラフィックファシリテーターの方と一緒の現場に入ることが増えました。 自分が提案するプログラムの中にグラフィックレコーディングを込みで設計し、受注できたら私からグラフィックレコーダーの方に依頼をさせていただくこともありますし、依頼された仕事で私がファシリテーターとしてアサインされていて、別の人がグラフィックレコーダーとしてアサインされていたということも。 ファシリテーターもグラフィックレコーダーも比較的新しい仕事なので、連携の可能性って未

オンラインの場こそ "心理的契約" を意識せよ。  私が勝手に「録画ボタン」を押されているイベントに二度と参加しない理由

最近、オンラインのイベント・ワークショップが一気に増えています。私自身も主催しますし、参加もしている方だと思うのですが、オンラインのイベントで「期待通り(もしくはそれ以上)だった!」というケースって少ないなぁと感じています。 それは、オンラインの方が参加方法や、参加者に影響を与える要因が対面より多いため、主催者側でコントロールではないでしょうか。 そもそも、イベントの満足度は、案内ページに書かれている内容を見て抱く期待の範囲と同じものもしくはそれ以上のものを提供できたとき

"みんな" の中に自分を入れる? ファシリテーターは意見をしないのか問題について考える

ファシリテーターにはいろんなタイプがいますが、大きく分けられるところは「自分に触れながら」その場にいるファシリテーターと、そうでないファシリテーターではないでしょうか。つまり、その場にいる皆に自分を含めている人と、含めていない人という意味です。 ちなみにわたしは前者のタイプ。つまり自分に触れながらその場にいることを大切にしたいと考えています。 「自分に触れながらその場にいる」をもう少し別の表現をすると、参加者が話されているテーマについて自分がどう感じているか、味わってその

インタラクティブな場を作りたいファシリテーターのための話し合い設計 3つのヒント

今日はファシリテーターの方向けの記事。いろんな話し合いの場の企画、主催をする方で、どちらかというと登壇者が話すのを参加者が聞くというような場ではなく、参加者に積極的に関わってもらえる場を設計したいなと考えている人向けです。 私は、イベントでも「双方向的」な場の方が好きなので、自分が主催する時には以下のポイントに気をつけています。 1.  お互いのことを知る仕組みを取り入れる1つ目は、その場にどんな人がいるのかが少しでも分かるような仕組みを取り入れる、です。 具体的には、

私がファシリテーターとして大切にしている3つの礎

今日は、私がファシリテーターとして大切にしている礎をご紹介します。どれも元になった本の文章があるため、そちらとともにご紹介させてください。 1.  信頼が私の仕事「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」  ファシリテーションを学び始めた人の多くが、「その場にいる人の言葉を待てず、自分が発言してしまう」という壁にぶち当たります。 待つことができないファシリテーターは本当に多い。だからこそ、「言葉はその人が発しないと本人の力にならないのだ」と

”にわか” を歓迎できない人が可能性を潰す。わたしは誰もがファシリテーターで良いと思う。

今日は自分の専門分野の業界を伸ばすには?というお話。   最新、ファシリテーターと名乗る人って異常に増えてきたなぁと感じています。 そもそも私の発信が対話やファシリテーションに関することが多いので、フォロワーの方にそういう人が集まっているとも言えますが、それを差し引いても「XXファシリテーター」という肩書きとか「イベントで〜のファシリテーションを担当します」という発信をよく見かけます。 自分の専門性が高ければ高いほど、「にわか」な人への視線が厳しくなりがちですが、私は「

気づきを深める問いのレッスン その2. 構造・対象・前提を変える

今回は、以前書いた「問いのレッスン」の第2段。私が対話の場で使う「問いかけ」を考えるポイントを紹介しています。 その1.  では問いかけが思考に向かいやすいか?感情に向かいやすいか?を気にして考えていますという話を書きました。 今回は、なんとなく考えた問いかけがしっくり来ないというとき、ブラッシュアップさせたいときに考えている視点を3つ、ご紹介します。それは (問いかけがしっくりこないときは・・・) ・構造を変えてみる ・対象を変えてみる ・前提を変えてみる です。1

私が考える、ファシリテーターに向く人、向かない人

今日は、「どんな人がファシリテーターに向いていると思う?」ということについて書いてみます。以前Twitterでも発信したのですが、こんな記事を見つけました。 記事によると、日本ファシリテーション協会に所属している人は、学級委員長の経験者が他の組織より多いとのこと。面白いですね。 記事の中には、 ホームルームがうまく進められなかったトラウマなのか、仕切り屋さんが多いのか、はたまた損な役回りを引き受ける奇特な人たちなのか……。 と書かれていますが、皆の話し合いを進

気づきを深める問いのレッスン その1. 思考に向かう問い、感情に向かう問い

今日はファシリテーターの肝といって言い、問いかけについて書いてみます。 私は、自分が主催する場のほとんどが対話をする場なので、どのように問いかけをするかが場の質を決めると言って良いくらい、問いかけは大切。 noteで何度かに分けて、私が問いかけを考えるときに意識しているポイントを紹介します。今回は「思考に向かう問いと感情に向かう問い」 問いかけをするときに、その問いかけがその人の考えていることを揺さぶるのか、感じていることを揺さぶるのか、そのどちらを意図するかを考えます

" コファシリ" がファシリテーションの実力をつける最速の実践である理由 (基礎編)

私はファシリテーターの中でも、ファシリテーションを2人で行う、つまりコファシリ (Co-facilitation)* をすることが多いタイプです。これまでペアを組んだファシリテーターの人はざっと数えて15人以上。 しかもその内10人以上が、連続セッションなどでペアを組んだため、少なくとも複数回、半年以上はペアで仕事をしていたことがあり、かなりチームビルディングも出来ていたペアだったと言えます。 *ファシリテーターとアシスタントがいる、ではなく2人とも対等なファシリテーターで

組織力を高める場づくりとは? 参加者の関わる余地をデザインする

久々のファシリテーター向けの記事。今回は私が意識している対話の場の設計について書いてみます。 私は、組織のチームビルディングに関わることが多いです。理想的には、何度か継続的にセッションをする時間をいただき、その組織の変化に一緒に伴走させていただく関わりが好きではあるのですが、もちろんいきなり連続で依頼をしてくださる組織は少なく、最初は単発のセッションを実施してみますという組織が多いです。 最近は、数年前よりも少しだけ「対話」という言葉が広がっているのか、会社が年に数回行う

自分の願いから場をひらく人、 誰かの痛みから場をひらく人

対話の場や何かのワークショップを開く人は自分の願いから始めている人と、他人の痛みから始めている人がいると思う。 「自分の願いから始める」とは、自分の気持ち一番最初に扱うこと。例えば、わたしが主催している「死の対話」でいうと、わたしの経験と気持ちを最初に扱い、そこから始めるということです。 わたしは24歳の頃に父親が亡くなっており、同世代の人よりは早い段階で、死に向き合う体験がありました。 そこから、父との関係を見直したり、「終わりがある」今を大切に生きる人生になった

スキルアップ編  ファシリテーター向け講座について4選

たまに「ファシリテーターになるためにどんな勉強、どんな講座を受けたんですか」と聞かれることがあります。 私がファシリテーターの勉強を始めた頃よりもいろんな講座は増えているため、今ではいろんな選択肢があると思うのですが、主に私が受講した or 周りに受講者が多いものをいくつかご紹介してみます。 (初級編) ファシリテーションって何? 全くの初心者の方へ、最初にオススメしたい講座。 Be-Nature ファシリテーター連続コース これは、私自身も1番最初に受講した講座ですが