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その瞳が語るもの 

その瞳が語るもの 

1話

 「だから、聞いてる?」

 視界に飛び込んできたのは、幼馴染の不貞腐れた表情だった。

 木本 青羽(きのもと あおば)
高校2年生。

 二重のぱっちりした目と、小さな鼻、自己主張の強そうなプクッとした唇を突き出す彼女のこんな表情は、物心ついた頃からよく見せられてきた。

 青羽がこんな顔して俺に話を聞いて欲しいとせがんでくるのは、いつだって恋愛真っ只中の時。

 年上の、背が高くて、

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