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「パニック障害の発作では死にません」



NHKで8月31日からスタートする土曜ドラマ『Shrink 精神科医ヨワイ』の予告編動画のワンシーンで、主演の中村倫也さんが似ている台詞を言っている。
予告編を見た限り、それぞれの病から「障害」と言う言葉をカットしていて、NHKが神経症なんじゃないかと笑った。

私は16歳の時に、心外膜炎という病気になって、それはとても軽い症状だった。
ところが医師が、
「心内膜炎だったら死んでたかもな」
みたいな事を言いやがって、驚いてしまい、パニック障害になってしまった。

少しでも心臓がドキっとするような事があると、そのドキドキは大発作に繋がり、電車に乗っている事すらできない。
朝の通勤ラッシュの中、乗客に挟まれたまま失神していたようなもの。

その時代に、『パニック障害』は、たぶん日本では病名すらなく、病院では認められてなかった。
実際に、千葉県松戸市の内科で、

「甘えてんじゃねえ!どこも悪くないんだよ!」

医師から怒鳴られた。
薬もないし、途方に暮れた私は自分でパニック障害(病名がなかったから、心臓神経症で)を調べた。図書館に通い、医学書を読んだ。
翻訳学校に行ってたから、洋書も読んだ。
そしてある日、こんな一文を見つけた。

「心臓神経症の発作で死んだ事例はない」
さらに詳しく調べたら、

「万が一、心臓神経症(パニック障害)で亡くなる場合、本当に心臓に疾患があるかすでに心臓が弱くなっている死期が近い80歳以上の高齢者である」

私はこの文献にたどり着いて自力でパニック障害を治した。

昭和から平成初期にかけていたステレオタイプの医師や学校の教師に私は勝った。
大逆転劇で、逆に何も怖いものがなくなってしまった。
いつも平然としている男に変貌した。22歳くらいの頃だ。

それ以来、私は『自力』の強さを知り、成功も収めた。

東日本大震災のあの時。
私は立体駐車場の三階にいた。
さいたま市は震度5強だったが、立体駐車場はそれを遥かに上回る大揺れ。
海が荒れている日の船の中のよう。
駐車場にいる人たちは悲鳴を上げ、ミニバンの中にいた家族連れは車の中で伏せていた。
たまたまスポーツカーに乗っていた私は、
「まずい。ビルが倒壊したら死ぬ」
と冷静に判断。
スパイ映画のカーアクションみたいに車を猛発進させて、立体駐車場の下り急カーブを曲がりながら、外に出た。
パニック障害が治らないままの自分なら出来なかった芸当だった。たぶん、気絶していた。

ちなみに、震度5強と発表されたが、信号機は停電。木々はずっと大きく揺れていて、電柱は痙攣したように不気味に動いていた。学校の生徒たちは校庭に避難。交番にいる警察官も出てこない。
あの、さいたま市震度5強は違う。
さいたま市も広いし、震源地が近いと同じ震度5でも揺れ方が違うと思う。

私は精神科には行かなかったが、自分で治す努力も必要だと思う。ただ、精神科に行くだけでもその人は努力しているので、他の心の病でも部屋に引き込もってないで、中村倫也さん演じるような優しい医師を見つけて治療してほしい。

私も『自力』と偉そうに言ったが、「パニック障害では死なない」と書いてくれた医学者に感謝している。誰かも記憶にないが、日本の先生だったと思う。

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普段は自己啓発をやっていますが、小説、写真が死ぬほど好きです。サポートしていただいたら、どんどん撮影でき、書けます。また、イラストなどの絵も好きなので、表紙に使うクリエイターの方も積極的にサポートしていきます。よろしくお願いします。