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【シリーズ】マインドフルネスを実際にやる!①八正道の最初の二つがまずすごい!

山下良道メソッド(ワンダルマメソッド)の実際


 さて、ここまでで、一口にマインドフルネスといっても、良いマインドフルネスと悪いマインドフルネスがありそうだ、ということは分かってきました。

 仏教方面に迂回しながら勉強してきましたので、理論的なことが多くなりました。それは本当のマインドフルネスが、なんちゃってマインドフルネスとは違うことを理解する上で大切なことではありましたが、みこちゃんのこのシリーズも、ちょっと飽きてきたかも知れません。

 ここで山下良道さんが実際にどんな瞑想教室をやっているのかを、本の中から抜粋してみます。全文抜粋すると当然著作権の問題がありますので、ハイライトだけ。興味を持たれた方は是非、Amazonなどで注文してみましょう。

 あえて仏教を切り離してマインドフルネスしたい方も、参考になると思います。

 実はこの本は<信仰としての仏教>ではなく<修行としての仏教>の本なので、いわゆるお祈りして極楽浄土に行くなどの宗教性がまったくありません。修学旅行で観たあの時の菩薩像ってきれいだったなとか、坊主がお経あげるとか、仏壇とか木魚とかお線香とか出てきませんし、法事は足がしびれて眠いから苦手だとかまったく関係ありません。

 というか、大乗仏教の中の一流派である浄土教は、その教義の中限定で、念仏して信心深い人が成仏できるっていうことになっているだけです。仏教は最初はそういうものだったのじゃなく、頑張って修行して涅槃に至る(天国に行くに近いことかな、ただし居ながらにして)というのがもともとの考え方です。つまり、ここでいう仏教っていうのは、今の時代の私たち日本人が普通に考えている宗教とは全然別のものなのです。

 一連のマインドフルネスセミナーの様子が描写されているのですが、リアルでイメージしやすいです。ただ、このシリーズで見てきたどれが八正道を応用した部分なのかについては書いてませんので、そこがわかりにくい。ですので、みこちゃんが以下、その部分の注釈を入れていきますね。

1.正見(right view)

映画館の外の世界に目を向けること

今までみなさんは、自分の心が作った映画をずっと見ていた。バラ色の未来という映画、嫌な過去という映画。でも、その映画に夢中になっているとき、みなさんが忘れていたものがあって、それが身体の感覚でした。

上掲書P226 以下、見出し部分と引用文章中強調はすべてみこちゃん

 最初のこの引用部分は正しい見解(正見)です。映画館にいることを自覚して、視線をずっとスクリーンに固定していたのをやめて、映画館の外に出るための乗り物、つまり自分の身体に注意、視線を向けることが正しい見解(正見)だと言っています。

 ここからしてすでに、よくありがちな「意識を体の正中線の真ん中のみぞおちのちょっと下にある丹田の部分に集中しましょう。そこが膨らんだり縮んだりします」とかとは違いますね。これはニセマインドフルネスで、八正道の第7番目からいきなり入っています。

 まず、何のために体に意識を向けるべきなのかをしっかりと教えてくれるわけです。ここから始まらないと、サティ(気づき)は得られないでしょう。

2.正思惟 (right thinking)

映画館の中で思考しないこと

はい、ここまでで、私たちは脳内映画に浸かっている状態から、映画館の椅子にある身体へと戻ってきました。それで終わりではなく、今から私たちは、マインドフルネスの領域に入っていきます。
思いが落ちた後に残っている意識。先発ピッチャーであるthinkingマインドがマウンドを降りた後に、そこにいるリリーフピッチャー。まさかそんな人がいるとは思わなかったけど、いるのですよ。(中略)「色即是空、空即是色」の、その空の世界をこれから直接経験します。

前掲書P231

 大切なのはここで、先発ピッチャーである自分がマウンドを降りて(映画館から抜け出そうとして)、自分で映画館の外に出るのではなく、リリーフピッチャーに試合(人生)を託すことです。

 そうでないと、自分のままですと、映画館の外に出たつもりがまたすぐに別の映画館に入ってしまうからです。仏教ではこれは輪廻の苦しみとして教えられています。

 ここも面白いです。自分は蝉の殻みたいにその場に脱ぎ捨てて、まずまったく違う自分が、古い自分の人生を引き継ぐという感覚を身体で感じるわけですね。

 ここもニセマインドフルネスとは違います。ニセマインドフルネスでは、自分がとっても大事ですね。自分が成長したり、自分のストレスを軽減したりと、あくまでも今の現在の自分を癒やしてあげることが目的になっています。

いきなり古い自分を捨てて別の自分になることが可能な山下良道メソッド!

 でも、山下良道さんのマインドフルネスでは、古い自分をいきなり捨てて、新しい自分になるところから始まっています。

 この方法ですと、眠ろう眠ろうと思って頑張って返って眠れなくなる、というあの、どうしようもないジレンマが一気に無くなります。これはすごいですよね。

「今に集中しましょう」とか言われても、そんなの無理っぽい。ってか普通無理でしょそんなの。それが出来たらそもそも瞑想なんかしないって(笑)。

 普通の人は雑念がどうしても出てきてしまう。それは、先発ピッチャーである自分が、もうリリーフピッチャーに任せるべき局面なのに、最後まで投げきることにこだわっているからできないのでした。

 最終的に自分を手放すのではなく、山下良道さんのメソッド(ワンダルマメソッド)では、最初に古い自分を手放してしまう。これは画期的と言っていいでしょう。

 なぜそんなことができるのか。

 それは、マインドフルネスを単なるリラックスの身体技法ではなく、なぜ最初に自分の身体に目を向ける必要があるのか、それは身体に集中するのではなく、真の目的は囚われている映画の世界から抜け出すことに見出すからです。

みこちゃん流のワンダルマメソッド解釈

 以下は、みこちゃん流の山下メソッドの解釈です。

 まずサブスクでNetflixを見ていることを思い浮かべてみてください。それを付けたまま、一生懸命身体に集中しても、雑念(映画=人生の続き)が気になって、いくら呼吸法をやっても、今ここに集中するなんて無理ですよね。

 じゃあ、いきなりブチッと、Netflixアプリ終了させてください。見終わってからじゃ効果がありません。あえて良いところで、絶対ブチッと切りたくない場所でいきなり切ってください。家族や恋人にいきなりブチッと切られたら激怒する場所で切ってください(笑)。

 は(゚0゚)っとしますよね。

 しーんとする部屋。

 今までNetflixに前のめりになっていた自分は何だったんだ。

 さっきまでの前のめりでマウンドにいた先発ピッチャーである自分は消えてしまって、そこには、そこから自分の人生(Netflixを見終わった後の今日の午後?)を引き継ぐリリーフピッチャーとしての自分が浮かび上がってきます。

 これが、色=感覚の消えた世界です。映画に没入していたので眼の前の現実そのものは映画でしたが、ブツっと感覚が消えた。これが「色即是空」。

 ところが、それに気がついた新しい自分、リリーフピッチャーとしての自分は、なにもないところにいるのではなく、映画を見ていたときには忘れていた、部屋の空気をリアルに感じます。それまで存在していなかったような時計のカチカチという時を刻む音が聞こえ始める。どこかで廃品回収業者のうるさいスピーカーの声がする。クーラー入れっぱなしに気がついて急に寒くなった。そういや映画に夢中になりすぎていて喉が渇いたな。新しい世界の五蘊がいっきに自分を取り巻きます。

これが「空即是色」です。

 見ているもの次第で、自分ってなんだか別人になったような気がしますよね。

 ここまでが、ワンダルマメソッドの1.正見(right view)と2.正思惟 (right thinking)でした。



 どうですか(^-^)。

 なかなか面白いですよね。

 こんな感じで、みこちゃんの理解した山下良道メソッド、ワンダルマメソッドを最後まで解説してみますね!




 トップ画像は山下良道さんの公式サイトよりお借りしました。


 音声によるマインドフルネスの実際もあり!他にもとても有益な情報がたくさんあります。


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