マズローというと、「自己実現」あの「欲求の階層ピラミッド」(ちなみにマズロー自身はあの三角形は少なくとも著作の中では書いていない。大学の授業などで板書したかもしれないが)などから、とっても現実的な人で、実務家タイプの心理学者というイメージがあると思います。
でも、マズローはかなり、神秘主義的な思想も持っていまして、みこちゃんの印象としては神秘主義的な印象のあるユングなどより、はるかに(15倍くらい)マズローの方が神秘的なものに関心を寄せていたと思います。
今回は、そんな神秘主義者(うーん、厳密にはやっぱ「者」ではないけどね)的マズローの側面をご紹介します。
「至高体験」という言葉はマズローのもう一つのキーワード
「自己実現」が名が体を表すを表す状態のマズローですが、「至高体験」という言葉もマズローのもう一つのキーワードでした。では、実際のマズローの「至高体験」に関する文章を拾ってみましょう。
ふむふむ。さっきのイメージ画像のものも入っていますね。
別の本からも拾ってみましょう。
ここだけを切り取ると、完全に神秘主義者かなという感じもしますね。
神秘主義は仏教を始め世界の諸宗教のうちにしっかり根付いている
一般人が「至高体験」を得るにはどうしたらよいか
では、我ら一般人が「至高体験」を手にするには、やはり、密教の修行をやったり、ヨガを本格的にやらないとだめなんでしょうか。
マズローは、けっこう簡単に言ってます。大丈夫そうですよ。
セックスと音楽で大丈夫だそうです。さすがここはアメリカ人。とたんに世俗化しました(爆)。
まあ、どの方法でやるかは、みなさまの自由なわけですが、マズローは晩年に近づけば近づくほど、こっち方面の探究に熱心になっていきましたね。
まとめ 精神的探究はどこかで「至高体験」とは切り離せない
マズローはセックスと音楽ということでしたが、こういう方向に何かを見出すのは、アメリカの1960年代のドラッグ文化などもそうでしょう。
今日の日本でのいわゆるスピリチュアルというのは、いろんな太古の歴史をそれぞれに語りますが、やはり今日一つのムーブメントになったのはアメリカのあの時代の「ドラッグ・セックス・ロックンロール」だと言っていいと思います。
あれは哲学や神学の世俗化であったと思います。世俗化が悪いわけではないです。みこちゃんは仏教で言えば大乗仏教を好んで勉強していますが(私はアンチ上座部仏教です)、大乗仏教は小乗仏教からすると世俗化された仏教ですしね。
今多分、マインドフルネスなどがブームとなっているのは、1960年代の動機のもと、別の形を取って大掛かりな宗教、あるいは神秘主義の世俗化が行われているのじゃないかな、という気がします。
1960年代の米国ではその担い手はヒッピーでした。
2020年代では、このムーブメントの担い手はドラッグなどやらないビジネスパースンや一般の主婦などではないか。
彼ら彼女らがマインドフルネスを求めるのは、きっと1960年代の「ドラッグ・セックス・ロックンロール」の現代風に洗練された欲望の形なのかではないか、などと思いました。