大阪で人の温かさと歴史に触れる。富田林を散歩しよう。
みなさんは「富田林(とんだばやし)」という街を知っていますか?
富田林市は大阪府南河内地域に位置し、戦国末期に寺内町(じないまち)として形成された歴史的な街並みが重要伝統的建造物群保存地区として残っています。
また、若者の視点をまちづくりに反映するために「若者会議」という取り組みを行っています。今日は、富田林市「若者会議」で会長を務めていた槇野天音(まきのあまね)さんに富田林を案内してもらいながら、町の魅力についてお聞きしました。
地元の人が歴史情緒を紡ぐ富田林の魅力
ーー早速ですが、槇野さんが感じている富田林の魅力を教えてください!
富田林は「人の温かさ」と「歴史」を感じられる町です。私は、地元である富田林が大好きでよく散歩をするのですが、保育園の先生と挨拶をするうちに顔見知りになれたり、お店に入ると店員さんが「あなたのお名前は?」と聞いてくれてメモしてくれたりするんです。人と人が温かく繋がっていることを感じられます。
ここは大阪なの?と思うくらいの静かさやのどかさを感じられるのも魅力です。決して便利な町ではないけれど、都会から少し離れて、心なしか空気も綺麗に感じるし、川沿いを歩いたり山を眺めたり、道端の花草で季節を感じたり「あ〜、生活している」という感覚を持てる町だと思います。
今日は、私の大好きな富田林を楽しんでください!
重要文化財「旧杉山家住宅」へようこそ!
まずは、重要文化財の「旧杉山家住宅」をご案内します!寺内町創立以来の旧家として今も残っています。富田林の小学生は校外学習で一度は訪れたことがあるはずです。せっかくの校外学習なのに小学校からすごく近い場所で、当時はとてもがっかりしました(笑)。
実は、社会科の授業でも寺内町の資料集が配布されて、富田林の歴史について勉強します。私たち地元の人々にとって富田林の寺内町は住む場所である以上に、大切な場所なんです。
ーー子どもの頃から過ごしてきた「富田林」は槇野さんにとってどんな場所ですか?
大人から子どもまで過ごしやすい町です。昔から住んでいる人が多いこともあって、みんな町のことが好きなんですよね。町内会の掃除への出席率はとても高いです!
私は若者会議に参加していましたが、若者が「地域を盛り上げたい!」と立ち上がれば、市が協力してくれます。寺内町謎解き大会が開かれたり、ウォールアートを描く企画が立ち上がったり、若者の「やりたい」を市が受け止めてくれました。
また若者が集う場所があり、学校以外のコミュニティができたことで、学校では仲良くなれなかった年齢の人や学校では出会えなかったバックグラウンドを持った人と仲良くなり、たくさんの価値観に出会うことができました。高校生の頃、子ども食堂に出会ったことで、大学でもボランティア団体に所属することを決めました。
私にとっては、人生の原点がこの町にあります。
まるで映画の舞台。城之門筋は「日本の道100選」に選ばれています。
続いてはこちら!この道は「日本の道100選」に選ばれています。小学校で学んだ知識の一つですが、寺内町は道路がまっすぐではなく、交差点で少しずつずれているんです。敵が来た際に惑わすためだと聞きました。「あてまげの道」と言って、遠くを見通しづらくすることで敵の侵入を防いでいたそうです。
暗くなってくると灯籠に火が灯り、町の雰囲気が変わります。それもまた素敵なんです。ただ、どの道も似たような建物が続いているので、暗くなると帰り道がわからなくなる小学生が続出していました。今日はゆっくりお散歩しながら町並みも楽しんでください!
クラフトビールのお店「バンリノハルビアホール」
お気に入りのお店もたくさんあるので、紹介しますね!明治初期より銘柄「万里春」で知られた酒造をリノベーションしたおしゃれなお店です。クラフトビールと一緒にランチにしましょう。
ちなみに富田林で初めて電話番号を取得したそうで、昔は電話番号1番だったそうですよ。町の歴史を感じさせる姿が今も残る素敵な場所です。
本と雑貨のお店「緑の小道」
続いては、私のオススメの古民家の本屋さんです。大きな本屋さんでは、どうしても知っている作家さんの本ばかり手に取ってしまいませんか?
でも、ここでは普段は手に取らないような本との出会いがあるはずです!学生時代はここで多くの素敵な本と出会いました。まさに緑の小道に迷い込んだかのような店内では、大阪にゆかりのある作家さんの本やあの頃好きだった絵本が佇んでいます。
喫茶と天然酵母パンと日用品のお店「ミネミネ」
歩いていると、少し小腹が空いてきませんか?9月に新しくリニューアルオープンしたパンと雑貨のお店です。ここの酵母パンが絶品なんです。
可愛い雑貨も素敵なのですが、店主さんが登山愛好家で登山の本や資料も置いてあります。登山が好きな方、登山を趣味にしたい方もぜひ足を運んでみてください。
ーー槇野さん。本日はありがとうございました!最後に一言、お願いします!
富田林は楽しんでもらえましたか?まだまだ、紹介したいところがあるのでぜひまた富田林に来て下さい!次回は私が高校時代に毎日のように通った喫茶店でココアフロートを飲みましょう。
富田林には、少し長めの散歩がしたい人、ゆるりと遊びたい人にぜひ気軽に足を運んで欲しいです。喫茶店や雑貨屋さんを楽しむのもいいですし、町を歩くだけでも十分楽しめます。
大阪市では感じきれない田舎感を全身で感じて帰ってもらえると嬉しいです!
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