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なんで女が苗字変えなきゃいけないの?
『なんで女が苗字を変えなきゃいけないの?』
私は大学院を卒業以来、長いこと研究の仕事をしてきました。研究において、常に意識しなくてはいけないのが固定観念、すなわち思い込みを持たずに結果を見極めることです。ついつい事象を固定観念で解釈してしまい、未知の兆候や発見を見逃してしまいがちだからです。
仕事では極力意識していても、私生活ではあまり意識しないもの。それが思い込みであり、事実、不意に返されたタイトルの言葉で、私はハッとさせられたのでした。
それは今から15年ほど前の話です。
相手『もし結婚するとしたら苗字はどうする?』
私「そりゃ○○が俺の苗字になるでしょ?」
相手『私は苗字変えたくないし、そもそもなんで女が苗字変えなきゃいけないの?』
(え?)と思い、すぐに返事が出来ませんでした。そんなこと考えたことも無かったからです。その時は(何を言っているんだ、こいつは)と思いましたが、しばらくして気持ちが落ち着いて冷静に考えてみると、確かにおかしなことだという考えに至ったのです。
「みんながそうだから」「普通はそうだから」よく聞く理由です。ですが私は理屈っぽいタイプなので、そんな理論的でない理由を結論とすることは出来ません。ならばなぜほぼ女性側が結婚して苗字を変えているのか、調べてみることにしました。
このnoteにその調べた詳細を書くことは避けますが(とんでもなく長くなるうえ、本テーマから趣旨がずれるので)、大雑把な状況としては以下のような状況です。
結婚する男女は、どちらかの苗字を結婚後の苗字として名乗らなければならない(民法の話)。
結婚した場合、それまで入っていた戸籍から削除され、その夫婦の戸籍が新たに作られる(民法の話)。
家制度は戦後に廃止されたが、その名残で家の概念だけが残っている(社会的な風潮の話)。
世界的にみると、苗字の変更を強制する法律を持つ国はほぼ無い(グローバルに見た場合の話)。
なるほど、【女性が苗字を変えなければいけない論理的な理由は1mmも無かった】ことがわかりました。しかしながら、上記にも書いたように、現在は社会的に家の概念だけが残っています。だからこそ社会で色々と不具合が生じており、『選択的夫婦別姓』の制度が求められているんだと理解することが出来たわけです。
私の経験は、育った社会の中で自然に出来上がってきた思い込みによるものだと思います。しかし、別に誰かが悪意を持って私にこういう考えを刷り込んできたわけでもありません。しかし、自分の中の当たり前が常に当たり前であるはずがないのです。
この経験をきっかけに、『色んな当たり前』を思い込みではないかと疑うようになりました。そうするとさらに数々の疑問が湧いてくるのです。挙げていったらキリがありませんが、そうやって考えていくことが、自分の生きている時代を生きるということになるのかと思った次第です。
ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。
『あなたの当たり前は、本当に当たり前ですか?』
追記(04/03/2022)
ちなみに、上記のやり取りの後、しばらくは事実婚でいたのですが、色々あって渡米することとなり、未婚だとビザの問題があるので仕方なく結婚しました。話し合いの結果、私が苗字を変えることになりました。
当事者になることで、【選択的夫婦別姓制度の必要性】を強く感じています。この話はまた別にnoteにまとめていきたいと思っています。