見出し画像

映画「スタンドバイミー・ドラえもん」シリーズを観た感想

今更ではありますが、「スタンドバイミー・ドラえもん」とその続編「スタンドバイミー・ドラえもん2」を続けて観ました。私はあまり深く考えず、素直に物語を受け取るタイプです。そのため、今回も特に細かい点を気にせず、ドラえもんの世界にどっぷり浸かることができました。以下、二本合わせて観た感想をまとめます。


フルCGで描かれる原作の世界観

「スタンドバイミー・ドラえもん」の第1作は、主に原作の「のび太の結婚前夜」やその周辺のエピソードをベースにしています。昔読んだ原作を思い出しながら、フルCGで描かれた世界に自分の感覚を慣らしていくような感覚で楽しみました。最初はこれまでのアニメの雰囲気に慣れ親しんだ身として少し違和感を覚えましたが、観ていくうちにCG特有の温かみや深みがある表現に引き込まれていき、2からは違和感無く観れました。

一話読み切りの雰囲気

ドラえもん映画は、一つの壮大なストーリーがドラマチックに進む形式が多い印象です。しかし、このシリーズは、原作の一話読み切り的なテンポが続いていく構成でした。これは観る人によって好みが分かれるかもしれませんが、個人的には久しぶりにドラえもんの世界を楽しむにはちょうど良いリズムだったと感じます。原作の空気感をそのままCGで再現している点も好印象でした。

2作目の物語の加速感

続編の「スタンドバイミー・ドラえもん2」は、だいぶ新規の内容が盛り込まれており、特に中盤から終盤にかけて一気に物語が加速していきます。この部分にはぐっと引き込まれるものがありました。ただ、あえて言えば序盤はやや間延びした印象があり、もう少しテンポが良ければさらに良かったかもしれません。それでも感情の波が大きく揺さぶられる展開には、素直に感動しました。

心の浄化を感じるドラえもんの平和な世界

観終わったあとに最も感じたのは、ドラえもんの世界の平和さです。現実の世界はこんなに美しくないからこそ、心に溜まっていた淀みが少し消えたように思えました。日常の忙しさやストレスを忘れて、ほんのひとときドラえもんの優しい世界に浸ることができて、本当に癒されました。

久々に触れたドラえもんの映画は、懐かしさと新しさを同時に感じさせてくれる特別な作品でした。CGの表現やストーリーの作り方に好みは分かれるかもしれませんが、素直な気持ちで観ると、原作やキャラクターたちへの愛情がしっかり伝わってくる作品だと思います。

心にグッときたシーン

以下、特に心に残ったシーンをいくつか挙げてみます。

ジャイアン「のび太を殴っていいのは俺たちだけだ!」

「スタンドバイミー・ドラえもん2」

のび太が中学生たちに絡まれていたときに、ジャイアンが駆けつけてこのセリフを放つ場面。ドラえもん映画ではお馴染みの友情ジャイアンですが、やっぱり何度見てもグッときます。まぁ、そもそも「普段から殴るなよ」とツッコミたくなる気持ちはあるんですが、ドラえもんの世界ではそれが“じゃれ合い”のようなものとして描かれています。ベタな展開だけど、それでも好きなシーンです。

しずかちゃん「おかえりなさい」

「スタンドバイミー・ドラえもん2」

物語の終盤、大人のび太が結婚式場でしずかちゃんの隣に戻るシーン。このとき彼女が言った「おかえりなさい」というセリフには、ただ単に式場に「帰ってきた」という意味以上のものが込められていると思いました。中身が小学生のび太が身代わりとして場をつないでいるのをしずかちゃんが理解し、本物の大人のび太が戻ってきたことに対する安堵と歓迎の思いが伝わってきます。それにしても、しずかちゃんの器の広さには海のよう。

のび太のスピーチ

「スタンドバイミー・ドラえもん2」

のび太が結婚式で、家族や友人への感謝を述べるシーン。特に飾り立てた言葉ではなく、ストレートな感謝を伝える内容が、歳を取ったせいもあってか深く心に刺さりました。シンプルだからこそ、感情がじわじわと込み上げてきて、自然と涙が出そうになる場面でした。これらのシーンは、ドラえもんの物語が子ども向けでありながら、大人が観ても心に響く普遍的なテーマを持っていました。

エンディング 菅田将暉の「虹」

「スタンドバイミー・ドラえもん2」

エンディングで流れる菅田将暉さんの「虹」。この曲はそれだけでも心を揺さぶる力を持っていますが、ストーリーと見事にリンクしていて、さらに感情が高まります。映画を観終わった後の余韻をそのまま包み込むような、やさしく温かいメロディと歌詞が、涙腺を一気に崩壊させるきっかけに。映画の締めとして完璧すぎる選曲で、「これしかない」と感じさせるほど物語に寄り添っていました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集