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【超基礎!】「五行」に含まれる意味 陰陽五行論#9

こんにちは、ゆっきーです。今回は単純に暗記パートです。

陰陽五行論を学んでいく上で、最初に覚えなければならない大切な知識があります。それは「五行の対応関係」です。

「木火土金水」という五つの要素には、それぞれ特定の方位が定められています。そしてさらに、人間の持つ本能的な性質とも深い関係があるのです。

陰陽五行に興味を持った場合、この先深い理解に進む前に、まずは基本となる対応関係をしっかりと覚える必要があります。

なぜそういう対応になるのかという理由も含めて理解していくことで、より確かな知識として定着と思いますので、最後まで見ていってください。

五行とは

五行は「木・火・土・金・水」という五つの要素で構成されています。これは単なる物質を表しているのではなく、自然界のエネルギーの性質を表現したものです。

古代中国の人々は、自然界の変化を注意深く観察することで、全ての物事には五つの基本的な性質があることを見出しました。

例えば一年の移り変わりを見ると:
春には木々が芽吹き、新しい生命が息づきます(木)
・夏には太陽が高く昇り、強いエネルギーが溢れます(火)
・季節の変わり目には大地が実りをもたらします(土)
・秋には草木が刈り取られ、決断と区切りの時を迎えます(金)
・冬には全てが静まり、次の春に向けて力を蓄えます(水)

このように五行は、自然界の循環を表現する概念として生まれました。
しかし、それは単なる自然現象の分類に留まりません。

古人は、人間もまた自然界の一部であることから、私たち人間の本質的な性質もまた、この五つの要素で理解できると考えたのです。

そこから導き出されたのが、方位、色、そして人間の本能との対応関係でした。一見バラバラに見えるこれらの要素は、実は深い必然性を持って結びついきます。

五行における「本能」とは

ちなみに先ほどから登場している”本能”という言葉があります。
この五行論における「本能」とは、人が生まれながらに持っている根源的な性質のことを指します。これは後天的に身につけた能力や性格とは異なり、私たちの行動や思考の基盤となる生得的な特性です。

この「本能」は五つに分類されます:

【守備本能】 木の性質に対応する本能です。これは自己や大切なものを守り、育てようとする根源的な働きです。生命力そのものと言えるでしょう。

【伝達本能】 火の性質に対応する本能です。自分の持つエネルギーを外に向かって発信し、周囲に影響を与えようとする性質です。

【引力本能】 土の性質に対応する本能です。物事の中心となり、周囲のものを引き寄せ、調和させようとする働きです。

【攻撃本能】 金の性質に対応する本能です。物事を切り開き、前に進んでいく力を持つ性質です。

【習得本能】 水の性質に対応する本能です。外からの情報や知識を受け入れ、自らの中に蓄積していく性質です。

このように五つの本能は、それぞれが異なる特徴を持っています。
誰もが持っているものですが、その強さには個人差があり、それが人それぞれの個性を作り出していきます。

では次に、それぞれの要素について、その性質と対応関係を詳しく見ていきましょう。

木の性質を理解する

まずは五行の最初の要素である「木」について見ていきましょう。

木の性質は、春の訪れと共に芽吹く植物に象徴されます。地中から芽を出し、茎を伸ばし、葉を広げていく。その姿は、まさに生命力そのものと言えます。

【方位:東】 木が東に配されるのは、太陽が昇る方角だからです。東の空が明るみを帯び始める時、新しい一日が始まります。それはまるで、地中から新芽が顔を出すように。こうして東という方位は、物事の始まりと生命力を表現する木の性質と結びついているのです。

【色:青(緑)】 木に対応する色は青、または緑です。これは若葉の色であり、生命力に満ちた植物の様子を表現しています。古来の東洋では青と緑は同じ範疇として扱われてきました。春の芽吹きと共に世界に広がっていく、この生命を感じさせる色が、木の性質を表現しています。

【守備本能】 木の性質に対応する本能が「守備本能」です。これは、生命が自らを守り、維持し、育てようとする根源的な働きです。植物が芽を出し、根を張り、成長していくように、自己や大切なものを守り、育てようとする性質です。

木の性質は、このように「生命力」という一つのキーワードで繋がっています。東から昇る太陽、青々とした若葉、そして自己を守り育てようとする本能。これらは全て、生命の力強さを異なる形で表現しているんです。

火の性質を理解する

五行の二つ目の要素「火」について見ていきましょう。

火の性質は、夏の太陽に象徴されます。燃え上がる炎のように、強いエネルギーを放射し、周囲を明るく照らし出す。その様子は、まさにエネルギーの発散そのものです。

【方位:南】 火が南に配されるのは、太陽が最も高く昇る方角だからです。一日の中で太陽が最も輝きを放つ南中の時、世界は明るく照らし出されます。南という方位は、このように強いエネルギーを放射する火の性質と結びついています。

【色:赤】 火に対応する色は赤です。これは燃え上がる炎の色であり、また真夏の太陽を象徴する色でもあります。情熱や活力を感じさせるこの色は、エネルギーに満ち溢れた火の性質をよく表現しています。

【伝達本能】 火の性質に対応する本能が「伝達本能」です。これは自分の持つエネルギーを外に向かって発信し、周囲に影響を与えようとする性質です。太陽が世界を照らし、温めるように、自己の持つものを外に向かって表現し、伝えようとする働きです。

火の性質は、このように「発散するエネルギー」という一つのキーワードで繋がっています。南に輝く太陽、燃え上がる炎の赤色、そして自己を表現し伝えようとする本能。これらは全て、エネルギーの発散という性質を異なる形で表現しています。

土の性質を理解する

五行の三つ目の要素「土」について見ていきましょう。

土の性質は、全てのものを受け入れ育む大地に象徴されます。春夏秋冬、それぞれの季節の変わり目に現れ、全ての要素の中心として存在します。その様子は、まさに調和と安定の象徴と言えます。

【方位:中央】 土が中央に配されるのは、他の四つの方位の中心となるからです。東西南北、それぞれの方位をつなぎ、支える役割を持ちます。中央という位置は、このように全てを受け入れ、支える土の性質と結びついているんです。

【色:黄】 土に対応する色は黄です。これは大地の色であり、実りの色でもあります。大地があらゆる生命を育むように、中心となって物事を育て上げる土の性質を表現しています。

【引力本能】 土の性質に対応する本能が「引力本能」です。これは物事の中心となり、周囲のものを引き寄せ、調和させようとする働きです。大地が全ての生命を支えるように、周囲の要素を引き寄せ、まとめ上げていく性質です。

土の性質は、このように「中心となる力」という一つのキーワードで繋がっています。全ての方位の中心である中央、大地の色である黄、そして周囲を引き寄せ調和させる本能。これらは全て、中心として存在する土の性質を異なる形で表現しています。

金の性質を理解する

五行の四つ目の要素「金」について見ていきましょう。

金の性質は、秋の収穫期に象徴されます。しかし、これは単なる実りの区切りではありません。次の段階に進むための決断と前進の時期なのです。その様子は、まさに道を切り開く刃物の鋭さを表しています。

【方位:西】 金が西に配されるのは、太陽が沈む方角だからです。しかし、これは終わりを意味するのではありません。夕日が沈むことで新しい一日への準備が始まるように、次の段階への移行を表しています。西という方位は、このように新たな道を切り開く金の性質と結びついています。

【色:白】 金に対応する色は白です。これは金属が磨かれて輝く様子を表現しています。刃物の切れ味のように鋭く、物事を切り開いていく金の性質を表現しています。

【攻撃本能】 金の性質に対応する本能が「攻撃本能」です。これは前に進み、道を切り開く力を持つ性質です。守備本能が現状を守ることに向かうのに対し、攻撃本能は新しい状況を創り出すために進んでいく働きです。ここでいう「攻撃」は、破壊的な意味ではなく、現状を変化させ、道を切り開いていく積極的な力を指します。

金の性質は、このように「切り開く力」という一つのキーワードで繋がっています。西という変化の方角、鋭さを象徴する白という色、そして前進していく本能。これらは全て、新しい道を切り開く金の性質を異なる形で表現しているのです。

水の性質を理解する

五行の五つ目の要素「水」について見ていきましょう。

水の性質は、冬の静寂に象徴されます。全てのものが静まり、次の春に向けて力を蓄える時期。その様子は、まさに潜在的な力を表しています。

【方位:北】 水が北に配されるのは、太陽が最も遠ざかる方角だからです。寒さと静けさに包まれる北方は、物事が表面的な動きを止め、内側に力を蓄える時を表します。北という方位は、このように静かに力を蓄える水の性質と結びついているのです。

【色:黒】 水に対応する色は黒です。これは深い水の色であり、また夜の闇の色でもあります。表面からは見えない深い部分に、大きな可能性を秘めている水の性質を表現しています。

【習得本能】 水の性質に対応する本能が「習得本能」です。これは外からの情報や知識を受け入れ、自らの中に蓄積していく性質です。水が低きに流れ、器に従うように、柔軟に物事を受け入れ、自らの力として蓄える働きです。

水の性質は、このように「蓄える力」という一つのキーワードで繋がっています。最も静かな北の方角、深い黒という色、そして物事を受け入れ蓄える本能。これらは全て、内なる力を育む水の性質を異なる形で表現しているのです。

まとめ

本日は五行の要素それぞれについて、方位、色、本能との対応関係を見てきました。

この対応関係を改めて整理してみましょう。

【木の性質】

  • 方位:東 - 太陽が昇る方角

  • 色:青(緑) - 若葉の色

  • 本能:守備本能 - 生命力を守り育てる

【火の性質】

  • 方位:南 - 太陽が最も輝く方角

  • 色:赤 - 炎の色

  • 本能:伝達本能 - エネルギーを発散する

【土の性質】

  • 方位:中央 - すべての中心

  • 色:黄 - 大地の色

  • 本能:引力本能 - 調和をもたらす

【金の性質】

  • 方位:西 - 太陽が沈む方角

  • 色:白 - 金属の輝き

  • 本能:攻撃本能 - 物事を前進させる

【水の性質】

  • 方位:北 - 最も静かな方角

  • 色:黒 - 深い水の色

  • 本能:習得本能 - 物事を受け入れ蓄える

重要なのは、これらの対応関係は決して無関係なものを強引に結びつけているわけではないということです。それぞれの要素が持つ本質的な性質が、方位、色、本能という異なる形で表現されています。

この基本的な対応関係を理解することは、陰陽五行論を学ぶ上での第一歩となります。
この先話すあらゆるテーマの基礎であり、これを理解していたらどんどん話が繋がっていくので、ぜひ覚えてみてください。


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