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恐れを愛に変えてくれた犬〜生きとし生けるものすべてに愛を感じたら世界は輝いて見えた
私は、近所の野良犬に追いかけられてとても怖い思いをしたことがあります。
走っても走っても追いかけてくる茶色い大きな犬。
それは、幼稚園に入る前の4歳くらいの私にとって恐怖以外の何ものでもありませんでした。ですから私はずっと犬が苦手でした。
親友の家に泊まりに行っても、ペットのヨークシャテリアが私の前に出てこないようにと、別の部屋に閉じ込めてくれたこともありました(苦笑)
結婚して独立している娘が、トイプードルを飼い始めてうちに連れてきた時も、「犬と一緒の部屋で食事なんてとんでもない」と言って、ベランダに出させるような酷いことをしていました。
しかし、事態は大きく一変します。
生まれた孫に犬アレルギーがあることが最近分かり、なんと今、そのトイプードルと一緒に暮らしています!
最初は恐る恐る世話をしていましたが、身体を洗ったり散歩に連れて行ったりするうちに、すっかり懐かれて今では大の仲良しです。
犬と散歩をしていると、同じように犬を連れている近所の人との会話も生まれるし、他の犬も可愛く思えるようになりました。
犬が苦手だった頃は、外で犬と出会うたび避けて歩いていたのに、その頃と比べると、大げさかもしれないけれど世界が違って見えてきたのです。
アリス・ベイリーの「魂の光」の中に書いてあることです。
「マインド・スタッフの平安は、同情を抱き、優しくし、揺るぎない目的を抱き、苦楽やあらゆる形の善悪に対して平静になることでもたらされる」
ここで言う優しさとは、動物に優しく接することだそうです。
そうすることで、脳の反応が穏やかになり、思考と行動が平安な境地になってゆくのだそうです。
犬を避け、触れることもできなかった私のままだったら、真の穏やかさには到達できなかったでしょう。50代半ばになるまでは、犬を抱いたこともなかったのですから。
それが、こんなにも犬を愛おしく思い、他の動物や生き物に対しても今までとは違った眼で見ることができるようになったことは、今の私に必要な状況へと導かれたようでとても不思議です。
輪廻転生を信じる仏教徒は、犬を見ても虫を見ても、遠い前世で自分の母親だったかもしれないと思い、むやみに生き物を傷つけることはできないといいます。
私も犬と一緒に暮らすようになって初めて、すべての魂は無限の過去から未来において皆つながっていると実感することができました。
つながりを意識するだけで、すべてが愛おしくすべてが輝いて見えるのです。