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湯浴み

蛍火が湯舟に一粒
白いカーブにほんのり灯る
夕さりに言葉はいらない
この灯りを
そう
見つめていよう
きっと何かが
浮かび上がる

足先からすっと
湯の中に滑り込み
夜伽のように
星座の名前をつぶやく
形のないものでいい
はっきりとした輪郭がなくても
ただぼんやりと温められる
気持ちがあるなら

体温調節の利きやすい
浴衣を羽織って
淡い夢への展望を
いくつも重ねて
君は言葉を選ぶけれども
燃えるような夕日の向こうに
静かに待ち受ける湿原を
私は知っている

小夜啼鳥は確かに
月不見月に鳴いていた


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吾音萌音
あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。