チビリストのチビ・リスト#11
(ワビ・サビとも違う、ちょっと小美しいけど、なんか恥ずかしいような「チビってるモノ」のコレクション)
自分の(もしくはお相手の)生まれた時の雑誌・本
→いただきもの
「お誕生日プレゼントに、生まれた時の本をプレゼントしたいんですが、何がいいですか?」
かなり前のある日、面白い提案がきて。その発想も素晴らしいんですけれど、悩ましいですよね。選択が。だって生まれた時・年に存在した本。という、自分の生まれた基準でそもそも本を選んだ視点ってないですもんね。
で、選ぶというか、自分が生まれた時のコトで知りたいこと。を考えるのも悩ましいし、人に伝えるのも恥ずかしいし面白い。たとえば、アイドル雑誌、平凡とか明星とか選ぶのも面白いし、ホントの雑誌、POPYEとかHOTDOGとか存在してたか調べるのも面白い。なければ平凡パンチかなとか。PlayBoyはどうだろうとか。当時のエロ自体、エロ本とかどうだったんだろうとか。文春砲とかはどうだったんだろうとか。週刊マンガのマガジンとかジャンプとかチャンピオンは?あったのか?でなにが連載されてたのかな。とか。リキイシ、生きてる?とか。歳がバレバレですねw。
それで、ご提案いただいた方に私がお願いしたのがこちら「暮らしの手帖」。その時、絶対にあったでしょ?というのが理由として。まあ、いやあ、かっこつけて、生活意識高い系盛っちゃいました。すいません。でも、花森安治さんの表紙は大好きなんです。単純にグラフィックとして表紙として。尊敬してます。だから自分が生まれた時の花森表紙が知りたかった。
そうしたら、ご提案いただいた方、神保町をはじめ、いろいろ探していただいて(ありがとうございます)自分が生まれた時の、やたら優しい表紙の本が送られてきました。
でも、中身みるとかなりチビってます。かなりさらっと。サラチビですね。
このキッチンって昭和44年当時、現実的じゃないですよね?かなり夢見て、ビミョーにチビってませんか。水道がお湯でなさそうなのがさみしいな。ボールも派手すぎ。エディトリアル・デザインも、青フチって、かなりいってますね。
イタリーのおそうざいって。惣菜ですよね。なんなんでしょう。コロッケの横では売ってないですよね。間違いなく。しかも、代表的にA/Bとセレクトされてるのが、あまり現代では見たことないものですよね。今だったら、まあカプレーゼとかカルパッチョとかでなんでしょうね。かなりな変化球です。さらっとチビってますね。
極めつけは、これです。
「カヌーを作ろう」
はい。作りたいけど、無理です。
いやあ、私が生まれた時代はメチャぶりであること、でもそれ自体ができないのは予定調和で、でも先の夢とか、その先のための原動力につながっていればよかったみたい。今よりも先・未来が大事!鉄腕アトムはそのうち日本の技術で絶対作れる!みたいな。熱量を感じます。
前向きっていいですよね。
というこの雑誌が320円。今だと物価4倍くらいだから、1300円くらい。で、推し推しの、男でも(まあ当時はね)作れる「おそうざい十二カ月」は当時価値、6000円!ですね。もう辞書か百科事典ですね。価格がぶっ飛んでて、チビってますね。
でも、あらためて大事だなあと思うことは、正しい情報ってほんとは安いものではないし、昔も安くなかった。でもその価値をみんなが認めてたってこと。価格が物語ってます。プロが発するちゃんと精査されたバイアスがかかってない情報って、今、世の中にあるんだろうか。今の時代だと、情報自体が心配になりますね。まあ、「おそうざい十二カ月」の値段、盛り過ぎといえば盛りすぎですが。
というわけで、お相手へのプレゼントとか自分自身の興味、で、生まれた時の雑誌や本を探す。のはおすすめです。
だって、もっと先に生まれた人になっちゃうと、自分の生まれた時の情報の紙、それ自体に触れることが不可能になりかねないですもんね。
今の時代に生きているチャンスです。チャンスを掴んで、チビリまくってください。うわーっ、どばーって。
あコロ・バランスとって。のお話です。
(※チビリストは、お漏らしマニアではありません)