第五章 自分への慰め

慰めとは、何かをして一時の苦しみや悲しみをまぎらせることである。
わたしも何十年も前からはじまり、つい数ヶ月前までひたすらに傷ついた自分自身を慰め続けていた。ときにはカラオケに行ったり、ショッピングをしたり、遠出をしたりした。いわゆるストレス発散というやつだ。
世の中は空前のストレス社会で、ストレス発散グッズなるものも売られている。

ストレスは溜まるものだと当たり前のように刷り込まれ、ストレスになると知りながらも誰に強制されるでもなく自分が嫌なこと、やりたくないことをやってるのである。

そんな事言っても、やらないと生きていけないし、家族を養わないといけないし、しがらみがあるし。…そんな声が聞こえて来そうだ。
なぜそう思うかと言うと、過去のわたし自身もそうだったからだ。原因は自分では無い、環境が悪い、他人が悪い、社会が悪い、etc…。
ストレスが溜まる度に、ストレス発散をし、また溜まって、また発散。ずーっと繰り返し。心の傷は治るどころか、どんどん深くなっていき、終いにはプツンと切れる。

結論を言うと、いまの自分にはストレスなど存在しない。なので、勿論ストレス発散をする必要もない。環境が変わったわけでも、嫌な奴が居なくなったわけでも無い。変わったのは自分自身の心のみ。
いままでストレス発散と称してやってきた物事も、今ではただただ好きだからやっている。

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