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経済最前線

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日本経済最前線、世界経済最前線、AI(人工知能)、ブロックチェーン、仮想通貨、フィンテック
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2020年6月の記事一覧

落ち込みから回復しても、元の水準には戻れない

 経済再開に伴って、さまざまな経済指標が回復している。しかし、これは最悪期からの回復であって、コロナ以前の状態への復帰ではない。ニューノーマルは、コロナ以前とは違う姿になる。  アメリカの5月の小売売上高は、前月比で17.7%増加した。これは92年以来の最大の伸び率だ。  しかし、前年同月と比べると6.1%もの減少になっている。 https://digital.asahi.com/articles/ASN6M74BQN6MUHBI01H.html  つまり、急激な落ち込み

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世銀予測。2020年の成長率はー5.2%

 世界銀行が6月8日に公表した最新の世界経済見通し(GEP)では、2020年の世界成長率はマイナス5.2%。  第2次世界大戦後で最大の落ち込み。世界恐慌、第2次大戦、第1次大戦の時期に次ぐ4番目の規模になる。  先進国は7・0%減、日本と米は6.1%減。ユーロ圏が9・1%減。  中国は1%増、インドは3.2%減。  新興国・途上国は、過去60年間で初めてのマイナス成長に陥り、20年の成長率は2・5%減。  2021年の世界経済は、プラス4.2%成長への回復。  ただし

アメリカ失業率は、なお戦後最悪水準

アメリカ失業率は市場予想を下回ったが、依然2桁。経済活動の回復も限定的。 それにもかかわらず、株価は上昇。これは、経済実態と乖離しているとの見方が過半だ。 米労働省が6月5日発表した5月の雇用統計で、失業率(季節調整済み)が13・3%となった。4月(14・7%)からやや改善。しかし、戦後最悪水準。 https://digital.asahi.com/articles/ASN657FBBN64ULFA01D.html 経済活動の再開は限定的で、雇用回復も緩慢。飲食業は、供給

消費支出が激減

4月の家計調査で、消費支出は実質で前年同月比11.1%減少(2人以上の世帯)。 パック旅行費、飲食店での飲酒代、宿泊料、文化施設入場料などの減少率が9割を超えた。 病院の診察料などの保健医療サービスは減少率が14.8%に拡大した。理美容サービスも16.9%から41.9%に広がった。診療外のマッサージ料金等は3月の6.7%増から一転して55.4%の減少となった。 下着類も49.6%減った。履物類も60.9%減。一般家具は38.4%減、寝具類も40.2%減。 国内新車販売台数(

キャッシュレス化進展のために必要なのは何か?

 メガバンク、JI東などが、デジタル通貨の基盤整備のため、協議会をつくる。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59953260T00C20A6EA2000/  日本でキャッシュレスが進展しないのは、さまざまな電子マネーが乱立していることもあるが、基本的には手数料が高すぎるからだ。 https://note.com/yukionoguchi/n/n2e403a160d88  複数の電子マネーを統合する仕組みは、すでに存在する。  Go

アメリカ経済見通し

 米議会予算局(CBO)は、6月1日、新型コロナウイルスによって、2030年までの実質国内総生産(GDP)が11年間の累積で当初予測に比べて7.9兆ドル(約850兆円:累積GDPの3%)下振れするとした。一度縮小したGDPは、すぐには完全復元せず、10年かけても傷痕を完全に穴埋めできない。  CBOは、4月24日、4~6月期の国内総生産(GDP)が年率換算で前期比40%減に落ち込むと予測している。失業率は、21年末も8%台にとどまる。  財政赤字は年3.7兆ドルと戦後最悪の

日本でキャッシュレスが進まないのは手数料が高いから

メガバンクが仮想通貨を発行と伝えられていたのだが、スイカとの連携など、電子マネーに後退しそうだ。電子マネーは手数料が高いので、店舗は導入したがたらない。 ◇メガバンクのデジタル通貨をスイカと連携  メガバンクがデジタル通貨が準備中だ。みずほ銀行は地方銀行などと組み、送金やQRコード決済に使える「Jコインペイ」をすでに発行している。三菱UFJフィナンシャル・グループは独自のデジタル通貨「coin(通称MUFGコイン)」の発行を検討中。 これらをJR東のSuica(スイカ)と

1-3月期の営業利益が33.9%減

 人件費が弾力的に動かないので、売上高の減少で営業利益が大きく減少している。 ◇売上高 が3.5%減で、営業利益が33.9%減少した  法人企業統計によると、1-3月期の全産業の売上高 は、前年同期比で、372.5兆円から359.6兆円へと13.0兆円減少(率では3.5%減少)した。  これに対し、売上原価を286兆円から280兆円へと5.8兆円削減し(率では2.0%減)、 販売費及び一般管理費を67兆円から66兆円へと5965億円削減した(率では0.9%減)にもかかわら

分散・分権社会の実現 ーコロナ後のニューノーマルに向けて

 リモートワークは、情報通信技術の進歩で以前から可能だったが、固定観念のために実現できなかった。コロナでそれが強制され、変化が加速された。分散・分権社会が、コロナ後のニューノーマルになるだろう。 1.リモートワーク  ・在宅勤務  ・TV会議での会議(G7、,株主総会、役員会)  ・オンライン教育、オンライン講演  ・オンライン診療  ・e コマース  ・都心店舗から住宅接近店舗に   「分散時代の一等地探れ」https://www.nikkei.com/article/D