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ラストベルトの再生、日本も産業再生するにはスタートアップが必要
ラストベルトとは?
ラストベルト、つまりさび付いた工業地帯
として知られるこの地域は、
かつてアメリカの製造業の中心地
として栄えました。
しかし、近年は工場の閉鎖や
雇用の喪失に苦しんでいます。
まずラストベルトに強いのは共和党です。
共和党のトランプ大統領は
ラストベルトの工業地帯の雇用を
コロナ前までは回復させ、
蘇らせることに成功しました。
2016年の当選時から2020年のコロナ前まで
失業率を1.2%回復させ、
雇用の創出に成功しました。
こちらのNHKのニュースでもわかるかと思います。
失業率は、政権発足以降、ラストベルトでも改善がみられた。しかも、ことしはじめの時点では半世紀ぶりの水準まで改善していたのだ。
さらに、この地の空洞化を生んだとして“悪夢の貿易協定”(トランプ大統領)とまで呼んだNAFTA=北米自由貿易協定を公約通り見直し。歴代政権が手をつけなかった分野に切り込み、労働者保護の姿勢を強くアピールした。
ところが、新型コロナウイルスの感染拡大により、失業率は一転、戦後最悪を記録した。
しかしコロナによってラストベルトは
14.7%という失業率を記録し、
トランプ氏が掲げた政策は失われました。
このようにラストベルトの回復は
全米にとっても重要であり、
日本も見習う部分があるのではないでしょうか?
トランプ前大統領とJ・D・バンスの共闘
バンス氏は、17日にミルウォーキーで行われた
共和党大会での指名受諾演説で、
「米国のために私たちができる最も重要なことはトランプ氏を再び大統領にすることだ」と述べました。
オハイオ出身の若き上院議員で、
苦労人として知られるバンス氏が
副大統領候補になったことは
ラストベルトにとってはいい評価だと思われます。
13日に東部ペンシルベニア州で起きたトランプ氏の暗殺未遂事件について「トランプ氏がペンシルベニアの野原で立ち上がったとき、米国民も立ち上がった」と同氏を称賛。「彼の団結の呼びかけに私自身も応えたい」と語った。
「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」に位置する中西部オハイオ州の貧困家庭で育った生い立ちを紹介し、米国の労働者のために戦う姿勢を強調。「バイデン氏のような政治家たちが米国の製造業を衰退させた」と主張した
また、「わが国は安い中国製品であふれ返っている」と述べ、
国内製造業を守る姿勢を明確にしました。
【中国の価格競争】
・BYD・・・中国の格安EV
・TEMU・・・中国発の格安Amazon
・シーイン・・・中国発の格安アパレル
中国の安さは武器であり、
同時にラストベルトにとっては
本当の意味で脅威なのです。
だって消費者は価格を安くすればするほど
選ぶ傾向があり、中国産は米国産業にとっては
厄介なのです。
実際に中国製品はアメリカの製造業の価格競争を壊し、
さびらせてしまった点もあるでしょう。
中国との貿易戦争を強化することで、
アメリカの労働者を守るというバンス氏の姿勢は、
多くのラストベルト住民の支持を集めるでしょう。
ただ一方でバンスとトランプでは右化しすぎてはないか?
という懸念もあります。
【2016年〜2020年 トランプ政権】
トランプ大統領:極右
ペンス副大統領:中道右派
【2024年〜2028年 トランプ政権?】
トランプ大統領:極右
バンス副大統領:極右
前回の副大統領はペンス氏であり、
彼はトランプが右化した際の中和剤として
外交にあたってまいりました。
しかし米国連邦議会銃撃事件を機に、
トランプとペンスにはただならぬ距離が生まれ、
より共和党が右化してしまったとも言えます。
白人労働者への支援
白人労働者の支持拡大に焦点
バンス氏は自身の生い立ちを語り、
「私は自分がどこから来たのかを決して忘れない副大統領になる」
と約束しました。
バンス氏はラストベルトの
白人労働者階級の支持を集めるため、
トランプ氏の再選を強力に支援しています。
共和党にプラスの動きですが、
しかし民主党も負けてはいません。
前回の大統領選でバイデン大統領が行ってきたものを
振り返って参りましょう。
バイデンは米国のハートランド(ラストベルトと農村地帯を含む中央部)で支持を獲得するために何をしたか。ポイントは3つある。まず、頻繁に足を運んだ。クリントンは4年前にそれをやらなかった。2つ目に、バイデンは雇用について話した。「私たちなら、米国の中間層の中心地で産業基盤を再活性化できる」と訴えたのだ。
そして最も重要なことに、バイデンは白人労働者階級に敬意を持って接した。クリントンがトランプ支持者を「嘆かわしい人たち」とこき下ろし、バラク・オバマ前大統領が中西部の労働者階級を、銃と宗教にしがみつく不機嫌な人々と見下したのとは対照的だ。
バイデンは労働者階級の人々に敬意を払い、トランプは偽物だと説いた。「私はドナルド・トランプのような人間をずっと相手にしてきた。おまえは金持ちではないから、おまえの両親は大学に行っていないから、といった理由で私たちを見下す連中だ。自分のほうが上だと思っている連中だ。持っているのは相続したものばかりで、それを浪費している連中だ」
私自身の感想としてはアメリカでは
所得の格差や人種、そして農村部と都市部で
極めて分断されています。
学歴や年収で豊かなものとそうでないもので、
政治が分断されていると感じれば終わりでしょう。
共和党だってスコット上院議員は黒人であり、
今いるアメリカ人の黒人を劣悪に罵倒することは
許されません。
一方の民主党だって不法移民のコストは莫大なものであり、
それをテキサス州に任せるようなものは
本当はあってはならないのです。
締め付ける前に取るべき選択肢を取っていないとも
見られたら、対応する必要があります。
この分断を癒すのは政治の力か?それとも州の力が?
私は米国に問い続けなければならない。
例え人種や所得は違えどものづくりでは
日米問わず変わらない思いは強いはずだ。
ラストベルトの再生には投資が不可欠
日本の投資機会
このようなアメリカの政治情勢の中で、
日本もラストベルトへの
投資をより検討すべきです。
特に、USスチールをめぐる買収案は注目に値します。
日本製鉄は、USスチールの買収を通じて、
米国の製造業再生に貢献できる可能性があります。
日本経済新聞の記事ではトヨタが投資している。
米南部ノースカロライナ州の中央部にあるチャタム郡。米南部の典型的な「田舎」の風景が、電気自動車(EV)の建設ラッシュで一変している。ベトナムのEVメーカー、ビンファストが2023年夏、同州で初めてとなる乗用車工場を着工した。
米ウルフスピードも、EVに使う炭化ケイ素(SiC)製の半導体で世界最大級の工場を建てる。隣の郡にはトヨタ自動車が車載電池工場を建設中だ。
バイデン大統領は、中国からの鉄鋼と
アルミニウムに対する関税を引き上げる
方針を示しました。
これは、アメリカ国内の製造業を保護するための
措置ですが、日本製鉄によるUSスチールの買収は、
経済安全保障の観点からも有益です。
ラストベルトの再生は経済安保と
投資の拡大、米国の雇用確保のために
多くの投資を世界はしなければならないのでしょう。
まとめ
第一主義は世界にとって共通であり、
自民も立憲も第一主義の原点に立ち、
時代を見て保守とリベラルを
アップデートしていくことでしょう。
時代はITの時代ですが、しかし本来大切にすべき
ものづくりへの投資は実は
どの党にとっても耳を傾けるべきだ。