今まで作った旋頭歌を蔵出しします

隣にはブラックホールを束ねたような
君の髪私が梳かす朝日に溶ける

Wi-fiはすぐに繋がり探そうとする
私にも繋いでほしいよその指先を

その笑顔クリームソーダを透かして見える
さくらんぼいつもあげたくなるような君

呑まれてもいいよあなたは太陽だから
呑み込んで一つの二人宇宙に溶けよう

割り箸がうまく割れない君が好きだよ
もう一膳忍ばせておく巾着の中

連作「人造人間くんと管理人さん」

人間のように一つの名前が欲しい
番号をやろうそれなら満足だろう

たまにはさ話してみたいよあんた以外と
設計のミスだなそんな口をきくのは

抱きしめて欲しいよこんな体だけれど
その爪で誰かの体を引き裂いてもか?

綺麗だとあの子は言ったこの髪を見て
その髪を操り何をする気でいるのか

 こんにちは、雪乃です。ご覧頂きありがとうございます。

 短歌はあまりアップしていないので、代わりに旋頭歌を上げてみました。連作四首は完全に初出しです。

 連作は、前半三句に人造人間のセリフ、後半三句に管理人のセリフを配置したものです。四首しか作っていませんが、いずれ増やしていきたいですね。問答系(?)の歌は一首で完結させようと思うと短歌より旋頭歌の方が向いていますね。

 旋頭歌は片歌(5・7・7)を二回繰り返したものなので本来は三句で切れるべきなのですが、一首はうっかり四句切れになってしまいました。現代旋頭歌ってことでまぁいいか……となっています。

 本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。