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悪い癖

以前にも書いたが、ライターはインタビューしているとき、当たり前だが、他人の話を黙って聞かなくてはならない。

それだけではなく、相手の話に全神経を集中し、理解し、絶妙なタイミングで相槌をうち、次の質問に移る。

自分の得意分野や興味のある話になると、それな!とばかりに自分の話をしたくなるが、この衝動を抑え込まねばならない。だいぶ大人になったので、コントロールできるようにはなったがそのストレスたるや、半端ないのである。

もともとは無口とは無縁、みてみて症候群ならぬ、聞いて聞いて症候群なのでしゃべりたくて仕方がない。

仕事から離れ、昔話に花が咲く、帰省時は顕著だ。聞く力といった本を読んでは、謙虚さを学び、人の話を聞くことで人間関係が円滑になるのも知っている。

謙虚に、慎み深くなろうと思ってはいる。インタビュー回数も増え、こなれてくると無意識のうちにおごりが出てくる。謙虚さ、謙虚さと呪文のように唱える。

秋に頭を垂れる稲穂をみては「あんたのようになるよ」と思っている。

なのに!!!また、やってしまった。酒が入ると楽しくなって、調子にのって自分のことばかり話す。途中で気づいて、すまぬとばかりにバトンを渡すのに、次の話題がドンピシャでネタがあれば、そうそう!とバトンをひったくる。

こうして久しぶりにメンバーが集まり、遅ればせながらの新年会も楽しかったのに反省ひとしお。同じ方向の友人とタクシーに乗り込んだ。

「今日もまたしゃべりまくってしまった。みんなの話も聞きたいのに。といつも反省はしてるんだよね。」

「それが、あんただからいいんじゃない?殊勝なあんたはだれも望んでないよ。それにマシンガントークは今に始まったことじゃないし、それでもあんたに声をかけるってことはそれでいいんだよ。あんたの場合、自慢話じゃなく、失敗談とか面白ネタだから面白いよ。まあ、しゃべりすぎは否めないがw」

お!ということは、今のママでよい?なんて思いませんよ。謙虚だからね。私。

こないだこれを書いたばかりだったのに・・・


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ゆきんこ
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